絵画教室・ワークショップ

2015年9月12日 (土)

【ワークショップ】2015年9月 ギャラリー橋田 第1回現代墨絵講座

2015年9月、ギャラリー橋田での「現代墨絵展」を記念して開催された「第1回 現代墨絵講座」」のレポートです。

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【例題】村田裕生作、グラデーション技法を用いた樹木の作品です。

これまでの墨絵作家活動を紹介する「現代墨絵展」の最終日、9月12日に、ギャラリー橋田展示会場にて、墨絵講座を開講しました。

今回実施した課題は、「グラデーション技法を用いて樹木を描く」というもので、アメリカでの展覧会の際に開いたワークショップの際に考案したものをベースにしました。

http://artschool.cocolog-nifty.com/photos/2004_workshop/index.html
(アメリカでの授業の模様です)

日本画のぼかし塗りテクニックを応用したグラデーション表現は、私の描いている墨絵の最大の特徴で、自由に描いた樹木のシルエットに墨のグラデーションを重ねることで、幻想的な光の空間が浮かび上がります。

【授業の流れ】

(1)グラデーションの練習
まずは、用紙と墨に慣れるため、グラデーション塗りの練習です。
用紙全体を水で濡らし、片側から隅を入れて段階的に墨を薄くし、グラデーションを作ります。

(2)樹木を描く
新しい用紙に、真っ黒い墨線で樹木のシルエットを描きます。
影絵のようになるため、あえて濃淡を付けずに描くのがポイントです。

(3)樹木にグラデーションを重ねる
シルエットを描いた樹木の周りにグラデーションを塗ります。
墨絵で描いたシルエットは一旦乾燥するとほとんどにじまないので、しっかり乾燥させたうえで打ち水をし、練習したグラデーションを応用して樹木の周りに陰影をつけます。

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【画像】受講者の皆さんの作品

以上の工程で描いていただいた作品は、皆さんそれぞれ独特の雰囲気のある作品に仕上がったと思います。

※墨絵講座での作品は、サイドバーのアルバムにアップしていきます。

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2015年6月 2日 (火)

【レポート】日本画ワークショップ「~絵の具を流して~森を描こう」

毎年の恒例となりました、高崎昇平さんと共同で主催しております、信州高遠美術館での日本画アートスクール。

本年のテーマは「~絵の具を流して~ 森を描こう」ということで、日本画絵の具独特の粒子感を感じながら、自然の風景を描いていただきました。

Img_2046

「絵の具を流す」とは、画面を傾けて絵の具を流すように塗ることで、しずく状の固まりや、自然にできる模様を利用し、たくさんの葉の茂った森などの風景の複雑な表情を描く試みです。

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以下、授業資料に沿って、授業内容をご紹介いたします。

2015001

【資料1】
授業の前置きとして、絵の具のラベルに記された、絵の具の種別、粒子番号などを例にとり、絵の具の製造過程の画像などを紹介しながら、日本画絵の具のことについて解説しています。

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【写真】京都・みやこえのぐ様より、資料をご提供いただきました。

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【資料2】
行程1,2は、絵の具を膠と練り合わせ、下地塗りをします。

「絵の具を流す」方法は、水平に置いた画面に絵の具を塗り、平筆などで水を上塗りしたのちに画面を傾けて絵の具を流す方法と、傾けた画面に多めの水を含んだ筆で絵の具を流すように塗る方法など、工夫しながら表情を出します。

さらに、何色もの色を積み重ねることで、深い色味や、複雑で面白い表情を作ります。

およそ、ここまでの行程で午前中の作業が終了。
お昼休みを挟んで、午後の部へ。
作品アルバムには、昼休みの段階での途中過程と、完成作品を比較できるように画像を並べてみました。

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【資料3】
下地が出来上がったところで、樹木の描き方の基本について解説。
資料画像のように、樹木の立体感を意識しながら下図を描きます。

また、下図作成の際には、流れた絵の具で自然に出来た模様を利用して構図を考えると、自然流れで風景を描くことが出来ます。

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【資料4】
いよいよ、描きこみ・仕上げの最終段階です。
おぼろげに浮かび上がってきた風景を、力強く描きこんでいきます。

ある程度描きこんだところで、全体の光な流れなどを考えて全体をまとめていくと、ぐっと雰囲気のある作品に仕上げることが出来ます。

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以上のような授業内容でしたが、今回もまた、魅力的な作品がたくさん出来上がりました。

これまでの、桜や紅葉など、具体的なモチーフが設定されたものと比べ「森を描く」という抽象的なテーマでしたが、流れた絵の具の表情からとても自然な形でイメージを膨らませ、まるで生き物のごとく様々な表現形態の風景画が生まれてくる過程を、たいへん興味深く見守らせていただき、よい勉強をさせていただけた気持ちです。

右サイドバー内に、授業の模様と作品をまとめたアルバムを作りました。
先述の通り、途中過程の画像と完成作品を続けて見ていただける様にまとめてみましたが、「生き物のごとく」作品が変化した過程を追体験していただけると思います。

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2014年6月15日 (日)

【レポート】日本画ワークショップ「銀箔を使って紫陽花を描こう」

6月8日の日曜日、第4回目となる”信州高遠美術館・アートスクール 日本画入門講座”が、開催されました。

日本画入門講座では毎回なにか新しいことを体験していただく趣向で、今回の講座では岩絵の具と並ぶ日本画特有の素材である金属材料のなかから、「銀箔」を使った表現にチャレンジして頂くことになりました。

箔と言えば、金屏風のように一面に箔を貼った表現が一般的ですが、銀箔を下地に用いることで、絵の具の発色を高めたり、独特の質感が表現するテーマです。

モチーフには、季節にあった紫陽花を選びましたが、あいにく高遠町では開花が間に合いそうも無く、私の自宅の紫陽花もやっとつぼみが膨らんだ程度で。

生花店なら季節を先取りしていると思いきや、逆に母の日あたりがピークとの事で、ともに講師を務める高崎さんと手分けしてお互いの地元の生花店をさがじ回り、何とか最低限の鉢植えを確保できたのですが、そんな間に、日当たりのよい所の花はだいぶ色づいてきた様子。

そこで、ご近所のお宅にご協力を仰いだところ、たくさんの立派な紫陽花を用意することができ、無事当日を迎えることができました。

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週末からの大雨で高速の通行止め情報に心配させられましたが、当日の高遠は爽やかな快晴!

一足先に到着していた高崎さんと合流し、美術館スタッフの皆さんにお手伝いをいただきつつ準備を進めていると、間もなく受講者の皆さんが集まり始め、いよいよ授業開始!

概要は告知の記事にも書たとおりですが、少し風が吹いただけでもヒラリと舞ってしまうような銀箔の繊細さに手を焼きつつも、そんな素材感に興味を持っていただけた模様♪

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当初案では、銀箔を小分けに切ったものを大まかに貼り付け、それをベースに花を描いていただく予定でしたが、皆さんが花びら一枚ずつに丁寧に銀箔を貼り集中されている様子が、とても真剣で楽しげに感じたので後半の作業を一部割愛し、銀箔貼りに集中していただくことに。

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その影響で、岩絵の具で描く作業時間が不十分になってしまい申し訳なく思いましたが、最後は受講者の皆さんの必死の頑張りに助けられ、課題を完成することができました。

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最後に、出来上がった作品を並べて講評会。
色とりどりの紫陽花が一堂に並び、壮観!

私自身、最近はあまり箔を使う仕事をしていませんでしたので、久しぶりに箔に触れその魅力を再認識し、皆さんと一緒に受講者として参加したくなるような、楽しいひと時でした。

授業の模様と皆さんの作品をまとめたアルバムを作成いたしましたので、右サイドバーのメニューより、ご一覧いただけたらと思います。

以上、アートスクール開催にあたり、お世話になりました信州高遠美術館スタッフの皆様、、ご参加いただきました受講者の皆様にはたいへんお世話になり、どうもありがとうございました。

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【追伸】
今回および、過去の墨絵ワークショップ等の企画も含め、同様の講座をぜひ他の場所でも開催できたらと思っておりますので、ご興味のある方にはぜひお問い合わせいただけたらと思います。

mu-ra-ta@nifty.com

日本画・水彩画教室 村田裕生まで

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2014年6月 6日 (金)

【告知】日本画ワークショップ「銀箔を使って紫陽花を描こう」

毎年恒例となりました、信州高遠美術館での日本画ワークショップ(*注 美術館では「アートスクール」と呼んでいます)「銀箔を使って紫陽花を描こう」の開催が、この週末に迫りました。

共に講師を勤める高崎昇平さんと準備を進行中ですが、決定しました授業内容について予告を兼ねて紹介させていただきます。

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今回の授業では、季節にちなんで紫陽花を描いていただくことになりました。

「新たな表現方法の模索」をテーマに、岩絵の具と並び日本画の魅力である金属材料のなかから「銀箔」を用いた表現を体験していただく趣向です。

以降、当日配布予定の作業手順書に従い、解説します。
(画像をクリックすると拡大サイズでごらんいただけます)

【資料1ページ】 箔の準備

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第1段階は、銀箔を細かく切って貼る工程です。

箔の使い方にも様々な手法がありますが、今回は「切金(きりがね)」手法で銀箔を細かく切って、紫陽花の花を描くベースをつくります。

まずは、包みから取り出した銀箔に「あかし紙」と言う台紙を貼り付け、扱いやすくする「箔あかし」の作業から。

そして、台紙のあかし紙ごとカッターで裁断し、花びら大の銀箔をつくります。

続いておおよその構図を決め、接着剤となる「ドーサ液」を筆塗り。
「ドーサ液」とは、ミョウバンを混ぜた膠液で、和紙のにじみ止めにも用います。

【資料2ページ】箔押しと背景塗り

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次の、第2段階は、箔押しと背景塗りです。

前ページの最後で「ドーサ」を塗った部分に細かく切った箔を貼り付けます。

箔が貼れたら、和紙やティッシュなどで画面と密着するように押し付け、箔の形を崩したい場合には豚毛の刷毛で叩いて表情を整えます。

おおよそ乾燥したら、箔の上から「ドーサ液」を重ね塗りし、定着を促します。

箔貼りにつづいて、背景を岩絵の具で塗ります。

絵の具は2~3色準備し、箔にも少し掛かるくらいに絵の具を塗り重ねて雰囲気を出します。
その際、アクセントをつけたい部分には、残った箔を追加で重ね貼りしてもOKです。

【資料3ページ】紫陽花を描く

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いよいよ、モチーフのアジサイの描きこみです。

まずは、白絵の具の「胡粉」をつかって、花びらを描きます。
その際、必要があれば、あらかじめ鉛筆などで下書きのデッサンをします。

花びらを白く描き起こしたら、本描き用の岩絵の具を準備し、葉や花を描きます。

最後は、モチーフをよく観察しながら細部や陰影を描きこんで仕上げ!

・・・

以上が、講座の概要です。

改めまして開催要綱は以下の通り、見学のみの方も歓迎いたしますので、ぜひ、信州高遠美術館までお出かけいただけたらと思います。

【アートスクール 日本画入門講座 ~秋の彩を描こう~

■ 日 時  平成26年6月8日(日曜) 午後1時~午後4時

■ 場 所  信州高遠美術館ホール

■ 講 師  村田 裕生 ・高崎 昇平 

 

※要予約

信州高遠美術館ホームページ

お問い合わせ

伊那市役所 生涯学習課 信州高遠美術館
  電話:0265-94-3666
  FAX:0265-94-3936
  E-Mail:t-bjk@inacity.jp

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2013年12月 5日 (木)

【報告】船橋市・坪井公民館、水彩画基礎講座@5日目

船橋市・坪井公民館、水彩画基礎講座の5日目。

課題としては3作目となる「花を描く」の1日目になります。

モチーフは、百合の花、またはお好みの花ということで、特に詳しい指定をしないで思い思いの花を持ち寄っていただきました。

これまで描いた課題に比べて形が複雑な分デッサン的な難易度は上がりますが、花鳥風月の「花」は日本画の基本中の基本でもありますので、絵心に富んだ作品の完成をぜひ期待したいと思います。

・・・

そんな次第で、まずは恒例となった水張りから。

前の水張りから一ヶ月空いてしまうので、熟れるまで経験を積むのも難しいのですが、何とか無事に作業完了。

次に、植物のデッサンは葉や花びらの動きを的確に捉えるのが重要ということで、「葉や花びらの輪郭から描くのではなく、方向性を考えながら「芯」になるラインを描き、そこへ肉付けするように輪郭を描く」こと。

もう1点は、「全体の構成を考えて花の位置を決める」ということ。
たとえば、描きたい花を画面の真ん中に描いてしまうと、葉や茎の位置が偏って意図しない空白が出来てしまうこともあるので、全体のバランスを考えながら配置を決めるということです。

また、花は基本的に縦長なので縦構図に描きがちですが、あえて横構図を選択し広がり感のある描き方も出来るのではないか?というような提案もした上で、作業に取り掛かっていただきました。

・・・

描き始めの段階では、皆さんの間に戸惑った感じも見受けられましたが、少しずつイメージが固まってくると滑らかに手が動き出した様子で、冒頭のアドバイスも踏まえ、個性や安定感のある構図にまとめることが出来たように感じました。

次に、ある程度形が整ってきたところで、追加の注意事項です。

”線の絵画”とも呼ばれる日本画の基本でもあるのですが、「茎が枝分かれする部分や、葉や花びらの付け根など、形のポイントとなる部分をしっかり気持ちを入れて描く」ということ。

悪い例は、地図に描いた道のように平面的な輪郭だけを捉えた描き方で、花のつくりをよく観察すると、人間のひじやひざの関節のような膨らみや、アクセントになる形があるので、それらを立体的に捉えた線で描きます。

・・・

今回の課題が最終作ということで、次回には最後のまとめや皆さんの作品を鑑賞しあうような時間を作りたいので、少し前倒しで彩色のポイントについての注意事項を解説。

第1点は、デッサンの時と同様、「植物の動きを的確に捉えるため、葉や花びらの”芯から描く”」ということ。

無意識に始めると、下描きの輪郭から塗りつぶすように平面的に色を塗ってしまいがちですが、ものの中心から塗りはじめ、周囲を水でぼかすように馴染ませることで、ふっくらとしたボリューム感とゆったりとした動きが表現できます。

そして、第2点は、何か物を描く際の方法として、「モチーフそのものに色を塗る以外に、モチーフの周囲を塗ることでモチーフを相対的に浮かび上がらせる方法もある」ということ。

この2点を踏まえると、空は青~、葉っぱは緑~というような、いわゆる「塗り絵」の状態を脱して、感覚的な彩色が出来るのではないかと思います。

・・・

以上が第5回目の内容です。

全6回の講座も次回で最終回。
ぜひ皆さまにこれまでの最高傑作を描いていただけるよう、私自身も楽しみながらご一緒できますよう、次回に備えようと思います。

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2013年11月30日 (土)

【報告】船橋市・坪井公民館、水彩画基礎講座@4日目

船橋市・坪井公民館での水彩画入門講座(全6日)の4日目。

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前回でデッサンを終えた「紙風船」に彩色を施します。

すでにご家庭で作業を進めてこられた方も居られ、講座内容や作業の進め方は浸透してきた模様なので、こんかいは出来るだけご自身の感覚で描き進めていただくことを重視し、全体に統一したな指示は少なめに、思い思いに作業を進めていただきました。

カラフルなモチーフに合わせ、背景にもカラフルな色彩をあしらった方も多く、りんごの時よりも作品の絵画性は高くなってきたように感じました。

私のほうは、皆さんのデスクを順に巡りつつ、個別にアドバイスして回りましたが、気づけばあっという間に授業終了時間になってしまい、手の回りきらなかった方も居られ申し訳なく思いましたが、出来上がった作品はどれひとつ同じテイストのものはなく、皆さんの個性が表現されていたように思います。

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以前のレポートでは、私に余裕がなくて写真撮影が出来ませんでしたが、今回は2作目の完成日ということで、がんばって写真を撮影してきました。

なるべく全ての方の作品を撮影したかったのですが、右のメニューバーのアルバムに撮影できた作品をアップさせていただきましたので、ご参照いただけたらと思います。

そして、記録にご協力いただいた皆様にもたいへん感謝いたします。

・・・

と、そんな次第で、いよいよ次回は最後の課題「花を描こう」のデッサン日です。
次回もまた、恒例の水張りから作業を開始し、持ち寄っていただいたお好みの花を描いていただきます。

お花を描くと言うことで、これまでとは少し趣を変えて日本画風の線描にも挑んでいただく予定ですので、ご参加の方にはぜひその雰囲気を堪能していただき、BLOGを見ていただいている方には、経過報告に期待していただけたらと思います。

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2013年11月29日 (金)

【レポート】ワークショップ・秋の彩(いろどり)を描く

2013年11月10日(日)、信州高遠美術館にて開催されたアートスクール(ワークショップ)「秋の彩(いろどり)を描こう」のレポートです。

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以前の告知でお伝えしたとおり、今回は昨年の「秋の落ち葉を描こう」に続き秋をテーマとなりましたので、昨年とは少し趣向を変え、絵を描く前の下地作りに焦点を当てた授を考案してみました。

中でも一番のトピックとなったのは「揉み紙」です。

詳しい歴史に関しては私自身も不勉強なのですが、和紙を手もみする手法自体は、紙工芸などに古くから用いられてきた技法のようで、日本画のテクニックとしては古くから伝わる伝統技法な部分と、近代日本画の新たな表現テクニックとして発展してきた部分と、ふたつの側面があるように思います。

また、一口に揉み紙といっても、しみ止めの効いていない生の和紙を絞り染めのように着色したり、濃度の違う2色の絵の具を塗り重ねた和紙を揉み、ひび割れから下層の絵の具を垣間見せる方法など様々あります。

そこで、今回の授業では、限られた作業時間にも配慮し、あらかじめこちらで下地塗りをした用紙を手揉みし、そのしわを活かして2色の絵の具を重ね塗りする、比較的シンプルな方法を体験していただくことにしました。

ここで重要なのは、紙の揉み方と色選びということで、作業に掛かっていただく前に、私たち講師の二人が実演しながら作業の流れとその際の考え方を解説することに。

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上の画像の左が高崎さん、右が私の作った作例です。

高崎さんは黄土色の用紙を選び、一色目は同じ暖色系の朱色を、私はこげ茶色に鮮やかに発色するオレンジ色を塗り重ねました。
その後、高崎さんは「柔らかな反対色」ともいえる緑青色を、私はさらに鮮やかに反発する群青色を重ねています。

予定した行程では2色を重ね塗りしたところで完了ですが、「この2色に、さらにもう一色加わるとこんな効果が」というように、もう一歩踏み込んだ展開も示したうえで皆さんの作業に取り掛かっていただきましたが、私たちが作例を作っている間に皆さんアイデアが湧き出して来られていたようで、席に着くなり夢中で絵の具との格闘が始まりました。

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作業自体の面白さに加え、皆さんのイメージや創作意欲にも火がついた様子で、次第に予想を上回るような個性的な表情が描き出され始めたので、予定よりも時間を延長してこの作業に没頭していただきました。

このままの状態でも作品として成立できそうなほどに力作ぞろいだったので、途中過程を写真に収めさせていただいたものをアルバムにまとめてみました。(右メニューバーに入り口あります)

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続いて、表情をつけた揉み紙の用紙をパネルに張り込む作業。

これまでのワークショップでは、あらかじめパネル張りした用紙を用意していましたが、揉み紙をやっていただく都合上、パネル張りを各自皆さんの手でやっていただくことになります。

日本画のパネルは屏風や襖絵の描き方を起源とする形になりますので、それらと同様の水張り手法で、揉み紙した用紙の裏側に水を塗り、丁寧にしわを伸ばしながら専用のテープを使ってベニヤパネルに張り込むと、ピンと伸びた緊張感ある画面になります。

じっさいのところ、何も描いていない和紙に比べ、揉み紙に着色された用紙を張り込むのは難しいのですが、皆さん何とか難局を乗り切り水張り終了。

いよいよ、「秋の彩り」を描く過程に入ります。

とは言え、ここまでの作業ですでにエネルギーを使い果たした感もありましたが、下地塗りがよく出来たのと、残り時間が少ない焦りを”燃料”にかえて、作業続行♪

・・・

今回の授業では、手順複雑なイメージの日本画の”そうでもない部分”を味わっていただきたい思いもあり、頑張って作った下地に現れた偶然の表情を巧みに利用しながら下図を描き、あるいは下図も描かず即興的に彩色を進めていく方法で、思い思いに持ち寄っていただいた秋の風物を描いていただくことに。

アルバムにまとめた皆さんの完成作から作業行程を遡る様にご理解いただけると面白いと思いますが、、、

偶然に画面に残った筆のタッチや揉み紙の痕跡を利用しながら形を描くことで、モチーフと背景のなじみがよくなり、一枚の作品としてのまとまり感もバランスよく仕上げられるのではないでしょうか。

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最後の仕上げはいつものごとく、皆さんの情熱と頑張りにゆだねるしかないところでもありますが、予定よりも1時間オーバーで作業完了。

粘り強く作品と格闘していただいた秋の風物は、個性的な背景にも負けず色とりどりに表現され、棚に並べての鑑賞会は壮観でした。

・・・

3回目のワークショップとなりましたが、これまでの全回を楽しみに受講していただいた方も居られ、私たち講師の二人も、毎年のお楽しみのようなライフワーク感覚で今後もこの授業に関わっていかれたらと言う思いを深めています。

また、今回の授業を企画する中で次回以降に持ち越すことにしたとっておきのアイデアも生まれていますので、ぜひ次回開催をお楽しみに期待していただけたらと思います。

そして、開催前後の準備を含めてご尽力いただき、このような素敵な場をご用意いただいた信州高遠美術館および長野県伊那市の関係者の皆様に感謝いたしております。

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2013年11月 9日 (土)

【告知】日本画ワークショップ「秋の彩(いろどり)を描こう」

信州高遠美術館での日本画ワークショップ(*注 美術館では「アートスクール」と呼んでいます)「秋の彩(いろどり)を描こう」の開催がこの週末に迫りました。

共に講師を勤める高崎昇平さんと準備を進行中ですが、決定しました授業内容について予告を兼ねて紹介させていただきます。

今回の授業では、昨年の「秋の落ち葉を描こう」でも取り上げた、色とりどりの紅葉した落ち葉に、秋の風物を加えて描こうということで、生徒さんそれぞれが思う秋の風物を持ち寄っていただきことにしました。

そして、「新たな表現方法の模索」をテーマに、「揉み紙」表現を用いて一味違った日本画の魅力を感じていただく趣向です。

以降、当日配布予定の作業手順書に従い、解説します。
(画像をクリックすると拡大サイズでごらんいただけます)

【第1段階】

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第1段階は、揉み紙と下塗りの工程です。

揉み紙にも様々な手法がありますが、今回はもっともシンプルなやり方を体験していただくよう、すでに一色の地塗りを済ませた用紙を用意しました。

その用紙をぐしゃぐしゃと丸める作業から開始し、揉んだ用紙に水分の少ない絵の具をかする様に塗る「ドライブラシ」技法で、下地の色を彩色していただきます。

この手法を用いることで、紙の凹凸のとがった部分にだけ絵の具が付着し、自然な模様ができます。

【第2段階】

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次の、第2段階は、水張りです。

揉み紙は、パネル張り前の用紙に施す必要があるため、これまでの授業ではあらかじめ用意されていた水張り作業を、皆さんの手で行っていただきます。

【第3段階】

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第3段階は、下塗りを終えた画面のモチーフ部分を描き込む作業です。

揉み紙にした地塗りを施した画面には、揉み紙によってできた模様が残りますので、その模様を手がかりにした図を描きます。

もみ紙でできた模様を上手に利用することで予想外の面白い形を描くことができ、した地塗りの雰囲気にと自然となじむモチーフが描けるとよいと思います。

以上が、講座の概要です。

改めまして開催要綱は以下の通り、見学のみの方も歓迎いたしますので、ぜひ、信州高遠美術館までお出かけいただけたらと思います。

【アートスクール 日本画入門講座 ~秋の彩を描こう~

■ 日 時  平成25年11月10日(日曜) 午後1時~午後4時

■ 場 所  信州高遠美術館ホール

■ 講 師  村田 裕生 氏・高崎 昇平 

(以前の告知の際、日付が間違っていましたので、訂正します)

 

※要予約

信州高遠美術館ホームページ

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伊那市役所 生涯学習課 信州高遠美術館
  電話:0265-94-3666
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【報告】船橋市・坪井公民館、水彩画基礎講座@3日目

船橋市・坪井公民館での水彩画入門講座(全6日)の3日目。

前回で1作目のりんごが仕上がりましたので、新たな課題の「紙風船」に挑みます。

紙風船は、デッサン的な形体感の把握や、筆のタッチを利用した色づけ、半透明な紙の質感表現など、水彩画の初歩を学ぶのにもってこいの画題で、私が水彩画の基礎を学び始めた頃にもしばしば描きました。

授業は、次の作品に同じパネルを使うため、前回描いたりんごの作品をパネルからはがす作業から。

日本画作品などはパネル張りした作品をそのまま額に入れることが多いので、一度水張りした作品をパネルから剥がすことは稀ですが、水彩画の場合はパネルを使用せずにマットつきのデッサン額に入れることが多いため、通常の制作でもこの作業が必要になります。

パネルから作品をはがしたら、新しい作品用の用紙を新たに水張りします。

今回の講座では、講座が終了したあとにも役に立つことを覚えて帰っていただきたいと思い、あえて同じ繰り返しで練習していただきましたが、2回目の作業はだいぶ皆さん手馴れてきたようにも思いました。

モチーフは、メインとなる紙風船に加えて、それに似合うおもちゃなどを追加してもOKということで皆さんそれぞれに持ち寄っていただきましたが、それらを画面に上手に構成して描けるよう、イメージ固めをしてからデッサンです。

先述の通り、紙風船はデッサン力養成用の課題ということで、紙風船の基本構造などを少し説明し、形取りの参考にしていただきつつ、でも、設計図を描くような感じにはならないよう、前回のりんご課題の時の「ふっくら感」も意識して描いていただきました。

水張りなどに費やした時間を差し引くと、授業時間内にデッサンを終えるのは少々つらい気もしましたが、皆さん頑張って描いてくださり、何とか形になったかなと。

さいごに、次回から彩色に入る際の注意事項などを、実演をしながらお話し、3回目の授業終了。

これで、全6回の講座も折り返し地点ですが、今回の作品はモチーフの面白さも相まって、絵心豊かな作品がたくさん生まれそうな予感がしますので、このペースで水彩画や絵を描くことの楽しさを皆さんに伝えることが出来たら幸いです。

そんな次第で、、、授業の模様を写真撮影しようと思いつつ、ついつい夢中になっているうちに授業が終わってしまいました(汗)

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2013年10月31日 (木)

【告知】信州高遠美術館でワークショップを開催いたします

毎年の恒例となりました、信州高遠美術館での日本がワークショップ(アートスクール)が、本年は11月10日(日)に開催されます。

「秋の彩を描こう」と題し、昨年のテーマだった落ち葉とともに秋の風物を描いていただきます。

授業内容などの詳細は追ってお知らせいたしますが、今回は、もみ紙手法を用いて、作品を描く前の段階から下地作りに主眼を置いた行程を予定しています。

申し込みなどの手続きは、美術館のほうへ一任しておりますので、詳細は直接美術館へお問い合わせいただけたらと思います。

■ 日 時  平成25年11月10日(日曜) 午後1時~午後4時

■ 場 所  信州高遠美術館ホール

■ 講 師  高崎 昇平・村田 裕生 (日本画家)

■ 受講料  美術館へお問い合わせください

※要予約

信州高遠美術館ホームページ

お問い合わせ

伊那市役所 生涯学習課 信州高遠美術館
  電話:0265-94-3666
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