絵画教室・ワークショップ

2017年7月 8日 (土)

【レポート】信州高遠美術館アートスクール2016年・日本画入門講座@「和紙のにじみを活かして紅葉を描こう」

高崎昇平さんとのコラボで毎年開催している信州高遠美術館・アートスクールの日本画基本講座。
2016年11月6日の「和紙のにじみを活かして紅葉を描こう」のレポートです。

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本講座では、日本画絵具と並ぶもう一つの重要な素材である和紙について、その特質を体験的に知ってほしいという事で、あえてシミ止めのきいていない生紙を用いて絵具のにじみを味わってもらいます。

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一般的に、紙漉きしたままの和紙は布に水がしみ込むようにジュワっと絵具などがにじんでしまうため、決まった形や線を描くことが困難です。
そこで、にじみを防ぐシミ止めを施して必要以上に絵具などがしみこまないようにしています。

通常の日本画では、しっかりとシミ止めのきいた和紙を用い、絵具は紙の表面に食いつくように定着するのですが、墨絵や書道に用いる和紙は適度な強さのシミ止めで、用紙の内部に程よく絵具や墨がしみこむようにしてあります。

したがって、今回描く作品は、やや墨彩画よりの日本画といった感じで、前半は墨彩画にも用いる水干絵具を用い、和紙のにじみを体感しながらぼかし塗りの下地を作成し、後半はしっかりとシミ止めを施したうえで和紙をパネルに張り込み、岩絵の具委で描くという、やや複雑な工程での作業になります。

描くモチーフは秋らしく紅葉の葉を描きますが、自由の利きづらい生の和紙に絵具をにじませることで、思いもよらぬ魅力的な表情が現れ、更にそれを見てイメージが膨らむような形で楽しく画を描いてみようというテーマです

以下、授業用の資料に沿って解説します。

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【1ページ目】
和紙ににじみ止めについての基本的な知識をかんたんにまとめました。
改めて考えると、油絵、水彩画、その他もろもろ、ほとんどの絵画は紙などの支持体の表面に絵具が重ねられており、用紙に墨や絵の具がしみこむ絵画というのは珍しいと感じます。

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【2ページ目】
まず手始めに水干絵具作りから。
失敗を恐れずに遊び感覚で実験できるよう、試し塗り用の用紙を準備し、まずは落書き感覚で自由に絵具を塗ってみることにしました。

あらかじめ紙を水で濡らしたときと、乾いた紙にいきなり絵の具を塗るときで同じ絵の具での表情が変わります。
また、選ぶ色によって描く作品の方向性が決まってくるので、色選びも重要です。

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【3ページ目】

テストピースの中から気に入った一枚を選び、本番用の用紙にその色彩を再現します。
もちろん、必ず見本の通りでなくてもOK。
ぼかし塗りが完了したら、よく乾燥してシミ止めのドーサを引いて、パネルに張り込みます。

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【4ページ目】
パネル張りされた和紙に岩絵の具で紅葉を描いていきます。
鉛筆で下書きをしたり、葉に絵具をつけてスタンプ、画面に葉を置いてその周りにステンシル等々、やり方も自由。

下地の時に偶然できた模様からイメージを発展させ、リズムよく紅葉を描くことができたら理想です。

以上で終了。

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授業の模様と、生徒さんの描かれた作品を右サイドバーのアルバムにまとめました。

下記リンクからもジャンプすることができますので、ぜひご覧いただきたく思います。

今回初めて薄手の和紙を用いて

【アルバムへのリンクはこちら】

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【レポート】信州高遠美術館アートスクール2015年・日本画入門講座@「絵具を流して、森を描こう」

2015年5月24日、信州高遠美術館にて開催された、「アートスクール2015年・日本画基本講座@絵具を流して、森を描こう」のレポートです。

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本講座では、日本画絵具のなかでも一番主流の岩絵の具について、直接絵具と触れ合いながら理解を深めてもらうのを目的に、「溜め塗り(ためぬり)」や「垂らし込み(たらしこみ)」といった技法を体験してもらいました。

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具体的には、水分を多めに含ませた絵具を塗った画面を斜めに傾け、更にその上から絵具や水を垂らすことで、絵具の流れや溜まりを作って物理的な凹凸やにじみなどの自然現象を活かした画面作りを楽しみながら、偶然できた模様を頼りに山や森などの自然を描くのがテーマです。
以下、授業用の資料に沿って解説します。

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【1ページ目】
日本画絵具の基本的な知識をかんたんにまとめました。
岩絵の具にも、天然・新岩・合成・・・などの素材の種類があること。
そしてそれぞれの絵具に、粒子の粗さによって番号が振り分けられていることなど。
素材や製造工程の画像を添えて解説しています。

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【2ページ目】

岩絵の具を作り画面に塗る工程。
絵具を塗ったパネルをミニイーゼルに載せて、絵具を流します。

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【途中過程】すでに絵になってます!

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【3ページ目】
出来上がった下地に、自然の風景の下絵を描きます。
偶然できた模様に想像力を働かせながら、山や樹木などの風景を描きます。

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【4ページ目】
下図を基に、岩絵の具を使って風景を描き込んでいきます。
絵具を流して作った下地の雰囲気を適度に残しながら、具体的なフォルムを描き、作品として仕上げていきます。

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授業の模様と、生徒さんの描かれた作品を右サイドバーのアルバムにまとめました。
下記リンクからもジャンプすることができますので、ぜひご覧いただきたく思います。

作品画像は、途中過程で絵具を垂らした状態のものも撮影しました。
完成作も素晴らしいですが、途中過程にもまた未完ゆえに想像力を掻き立てる魅力があるように思います。
順番は整えていませんが、途中過程と完成作品を比較しながら結び付けて見るのも面白いかもしれません。

【アルバムへのリンクはこちら】

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2017年6月22日 (木)

【レポート】信州高遠美術館アートスクール2017年・日本画入門講座@プ「ぼかし塗りを活かして、空を描こう」

高崎昇平さんとのコラボで毎年開催している信州高遠美術館・アートスクールの日本画基本講座、今回は「ぼかし塗りで、空を描こう」というテーマです。

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シミ止め加工のされていない和紙(生紙)に絵具を塗ったときの独特のにじみ味を体感してもらい、和紙の素材感を再認識するのが狙いです。

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前回の講座でも、和紙のにじみを活かす描き方を研究しましたが、今回はなめらかなグラデーションを作り、奥行きのある空を描きます。

和紙へのしみ込み、ぼかし塗りの時の絵具の伸び、扱いやすさなどを考慮し、グラデーションぼかしには、粒子の細かい水干絵具を用います。

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仕上がりサイズのF3号に合わせて用意した用紙を、まずは1/4にカットして試し塗り。
この時点では、特に完成図を予想せず、好きな色の組み合わせでぼかし塗りを試す感じ。

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何枚かテストピースを作っていると、夕焼け空に見えてきたり、夜空の月が描きたくなったり、、、色に導き出されるようにイメージが広がってきます。

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制作イメージが固まったところで、本番用のF3号用紙に彩色開始!!

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グラデーションがだいたい仕上がったところで、シミ止めのドーサを引き、パネルに張り込んで、岩絵の具での彩色に移ります。

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岩絵の具では、雲や樹木なども描いて、空のある風景画として仕上げていきます。

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さいごに、完成した作品を並べて鑑賞会!

和紙のにじみはコントロールが困難である反面、意図しない偶然性や自然現象が生み出すユニークな表情や色の深みがとても面白く、画面に起こった現象から頭の中のイメージが引っ張り出されて、まるで自分とは別の生き物が育っていくように、作者本人も思ってもみなかった作品に発展すると。

そんな不思議体験をしてもらえたのではないかと思いますし、そんな作品が生み出される場に立ち会って、たくさんの刺激をもらうこともできたように思います。

制作された生徒さんの作品と授業の様子を右サイドバーのアルバムにまとめました。
ぜひご覧ください。

アルバムへのリンクはこちら

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2017年6月11日 (日)

【告知】信州高遠美術館アートスクール 日本画基本講座@ぼかし塗りを活かして空を描こう

毎年恒例の、信州高遠美術館でのアートスクール・日本画基本講座が、2017年6月18日(日)に開催されます。

今回は、にじみ止めのない和紙(白麻紙の生紙)を用いて、グラデーションぼかしを体験し、空を描きます。
通常の日本画和紙は、厚手でシミ止めのきいたもの(ドーサ引きの雲肌麻紙など)を用いますが、和紙の特徴がより強く感じられるシミ止めのない生紙を用いて、絵具がしみこみながらぼやける様子を楽しみながら、表現の幅を広げてみようという試みです。
授業内容は、教材のプリントを参照してみてください。
(画像は告知用に草案段階の物を使いましたので、一部ネット画像を流用させてもらっています)

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【信州高遠美術館・アートスクールページへのリンクはこちら】

日時

平成29年6月18日(日曜日) 午前9時30分から午後3時

会場

信州高遠美術館ホール

講師

高崎 昇平 氏、村田 裕生 氏

受講料

1,500円

材料費

2,500円

持ち物

昼食、飲み物

その他

講座で使用する道具類は全て講師が用意いたしますので、初心者の方も気軽に参加していただけます。

予約・お申し込み:信州高遠美術館
電話:0265-94-3666 ファックス:0265-94-3936

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2017年5月31日 (水)

気仙沼メッセージ鯉のぼり 都美術館を泳ぐ@2017新象展

メッセージ鯉のぼりが東京都美術館、新象作家協会・新象展(本展)会場に展示されました。

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動画もあります
https://youtu.be/lO2FE9yJj8M 

新象展は、2017年5月29日(月)~6月4日(日)まで東京都美術館にて開催中です。
まだよゆうで間に合いますので、どうぞよろしくお願いいたします♪

新象作家協会Facebookページ

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2017年5月19日 (金)

気仙沼 メッセージ鯉のぼりに参加します

船橋市 坪井公民館 水彩画サークル彩(いろどり)、鎌ヶ谷カルチャーセンター和紙に描く水彩画講座の皆さんと、2018年の気仙沼メッセージ鯉のぼりに、第60回新象展経由で参加します。

復興支援やボランティア活動に参加されている方に敬意を表しつつも、自己表現としての「美術」に携わること自体、そもそもがエゴイズムベースの活動だと思っていますので、自ら進んでかかわることはしてこなかったのですが、グループ展からのご縁でお世話になった方に報いたい気持ちからこの活動に参加することになり、教室の生徒さんにもご協力をいただきました。
こういった活動は、皆でそろって参加した方が楽しいと思い、、坪井公民館サークルの皆さん、そして、少人数で運営しているカルチャー講座の皆さんに声掛けし、鯉のぼりを描いてもらったのですが、サンマやカツオの鯉のぼり(?)がキャンバスに変わると、普段描いている四角い画面を抜け出して何かが弾けたように心が解放され、普段見たこともないような色を塗り、自由な形を描き、想像以上の作品が次々に生まれる瞬間に立ち会うことができました。
そういう意味では、この活動に参加することで、むしろ私自身が元気づけられたように思いますし、なにより、シンプルに「楽しかった」!です。
そしてもちろん、生徒さんもきっと皆さん同じ気持ちだったのではないかと思います。

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生徒さんのパワーに圧倒されつつ、不肖私もサンマのぼりを描きました。

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表が、気仙沼の昼の風景、裏面が夜景!という構成です。

生徒さんたちの描いた作品は、右サイドバーのアルバムに、すべての方の作品を掲載しましたので、ぜひ、ご覧いただけたらと思います。
きっと、皆さんの「熱」が伝わると思います。

これらの作品は、2017年5月29日(月)~6月4日(日)に東京都美術館にて開催される新象作家協会・新象展(本展)に展示され、その後全国を巡回したのち、2018年に気仙沼の空を泳ぐ予定です。

新象作家協会Facebookページ

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2016年1月27日 (水)

【レポート】2015年12月 ギャラリー橋田 第2回現代墨絵講座

9月の講座に続き、第2回の現代墨絵講座は、染め物のような白抜き技法を用いてロウソクを描きます。

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【例題】村田作品「あかり」

以前の記事にも書きましたが、墨絵の大きな特徴は「水や墨が”しみこむ和紙”を用いること」で、その特性を活かして白黒の反転した図柄を描くことを体験する課題です。

そこで、もう一つ前置きの説明をしておくと。

そもそも、和紙は未加工の状態(生紙といいます)では、テッシュペーパーのように水を吸収し、描いた線などがじゅわっと滲んでしまう特性があり、絵画に用いるためには「ドーサ(ミョウバンを混ぜた膠水)液」を塗ってしみ止めします。

日本画用の和紙は、かなり強めのしみ止めを効かせ紙の表面に絵の具を乗せますが、水墨画では、描いた線がぎりぎりにじまない程度に加工した薄手の和紙を用い、紙に染みこむ墨のにじみを活かして描くわけです。

その特性を逆利用し、あらかじめ無色の糊状のもので下絵を描いて墨を重ねると、糊が先回りしてしみ込んでいる部分には紙の地色が染め抜かれて白く残ります。

一般的に、墨絵には白絵の具を用いないため、明暗を表現するためには明るい部分は墨を塗り残して表現するしかありませんが、この方法を用いることで明るい部分を精密に表現できるようになります。

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【参考】白抜き技法で描いた作品です

私がその方法に気がついた時には、手元に適当な糊がなかったため、手近にあった木工用ボンドを水で薄めたもので試作をしていましたが、墨絵の画材を扱う専門店などでは、専用の液剤なども売られていますし、アクリル絵画用のメディウムなどを使用することも可能です。

以上のような前置きをしたうえで、授業内容の説明です。

(1)白抜きの実験
まずは、糊による白抜きを体験していただくため、自由なかたちを糊で描いてみます。
※今回の授業では、アクリルのマットメディウムを用いました。

(2)墨入れ
前項で描いた糊の図案の上から墨絵をぬり、白抜きされる様子を確認。
糊の濃さや紙への浸透度により、上手に白抜きできないこともあるので、糊の薄め具合を調整しながら練習します。

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【画像】練習で描いたものも作品らしく仕上げてみました

(3)下図を描く
構成などを考え、糊を使って蝋燭と炎を描きます。
いきなり描くのが難しいと思う人は、墨を使って描いた原図に新しい紙を乗せて、形をトレースするように描きます。

(4)グラデーション
前回の樹木の時には直線的なグラデーションを掛けましたが、蝋燭の炎を表すために、中心の明るい円形のグラデーションを描きます。

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【画像】完成作品です。

ギャラリー橋田での「現代墨絵講座」は、今後も季節に一度くらいのペースで継続していく予定です。

毎回その日限りで、額に入れて飾れる作品をお持ち帰りいただける講座で、お気軽に楽しんでいただけると思います。

次回開催の日程が決まり次第、こちらのブログにも告知していこうと思いますので、ご興味のある方、ぜひご参加ください。

講座に関するお問い合わせは、ギャラリー橋田までお問い合わせください。

http://www.hashida.jp/

■ギャラリー橋田 住所  〒392-0017 長野県諏訪市城南1丁目2550番地 
 TEL: 0266-52-3420   FAX: 0266-52-3653
 E-mail : hashida@hashida.jp

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2015年9月12日 (土)

【ワークショップ】2015年9月 ギャラリー橋田 第1回現代墨絵講座

2015年9月、ギャラリー橋田での「現代墨絵展」を記念して開催された「第1回 現代墨絵講座」」のレポートです。

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【例題】村田裕生作、グラデーション技法を用いた樹木の作品です。

これまでの墨絵作家活動を紹介する「現代墨絵展」の最終日、9月12日に、ギャラリー橋田展示会場にて、墨絵講座を開講しました。

今回実施した課題は、「グラデーション技法を用いて樹木を描く」というもので、アメリカでの展覧会の際に開いたワークショップの際に考案したものをベースにしました。

http://artschool.cocolog-nifty.com/photos/2004_workshop/index.html
(アメリカでの授業の模様です)

日本画のぼかし塗りテクニックを応用したグラデーション表現は、私の描いている墨絵の最大の特徴で、自由に描いた樹木のシルエットに墨のグラデーションを重ねることで、幻想的な光の空間が浮かび上がります。

【授業の流れ】

(1)グラデーションの練習
まずは、用紙と墨に慣れるため、グラデーション塗りの練習です。
用紙全体を水で濡らし、片側から隅を入れて段階的に墨を薄くし、グラデーションを作ります。

(2)樹木を描く
新しい用紙に、真っ黒い墨線で樹木のシルエットを描きます。
影絵のようになるため、あえて濃淡を付けずに描くのがポイントです。

(3)樹木にグラデーションを重ねる
シルエットを描いた樹木の周りにグラデーションを塗ります。
墨絵で描いたシルエットは一旦乾燥するとほとんどにじまないので、しっかり乾燥させたうえで打ち水をし、練習したグラデーションを応用して樹木の周りに陰影をつけます。

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【画像】受講者の皆さんの作品

以上の工程で描いていただいた作品は、皆さんそれぞれ独特の雰囲気のある作品に仕上がったと思います。

※墨絵講座での作品は、サイドバーのアルバムにアップしていきます。

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2015年6月 2日 (火)

【レポート】信州高遠美術館アートスクール2015年・日本画入門講座@「~絵の具を流して~森を描こう」

毎年の恒例となりました、高崎昇平さんと共同で主催しております、信州高遠美術館での日本画アートスクール。

本年のテーマは「~絵の具を流して~ 森を描こう」ということで、日本画絵の具独特の粒子感を感じながら、自然の風景を描いていただきました。

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「絵の具を流す」とは、画面を傾けて絵の具を流すように塗ることで、しずく状の固まりや、自然にできる模様を利用し、たくさんの葉の茂った森などの風景の複雑な表情を描く試みです。

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以下、授業資料に沿って、授業内容をご紹介いたします。

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【資料1】
授業の前置きとして、絵の具のラベルに記された、絵の具の種別、粒子番号などを例にとり、絵の具の製造過程の画像などを紹介しながら、日本画絵の具のことについて解説しています。

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【写真】京都・みやこえのぐ様より、資料をご提供いただきました。

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【資料2】
行程1,2は、絵の具を膠と練り合わせ、下地塗りをします。

「絵の具を流す」方法は、水平に置いた画面に絵の具を塗り、平筆などで水を上塗りしたのちに画面を傾けて絵の具を流す方法と、傾けた画面に多めの水を含んだ筆で絵の具を流すように塗る方法など、工夫しながら表情を出します。

さらに、何色もの色を積み重ねることで、深い色味や、複雑で面白い表情を作ります。

およそ、ここまでの行程で午前中の作業が終了。
お昼休みを挟んで、午後の部へ。
作品アルバムには、昼休みの段階での途中過程と、完成作品を比較できるように画像を並べてみました。

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【資料3】
下地が出来上がったところで、樹木の描き方の基本について解説。
資料画像のように、樹木の立体感を意識しながら下図を描きます。

また、下図作成の際には、流れた絵の具で自然に出来た模様を利用して構図を考えると、自然流れで風景を描くことが出来ます。

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【資料4】
いよいよ、描きこみ・仕上げの最終段階です。
おぼろげに浮かび上がってきた風景を、力強く描きこんでいきます。

ある程度描きこんだところで、全体の光な流れなどを考えて全体をまとめていくと、ぐっと雰囲気のある作品に仕上げることが出来ます。

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以上のような授業内容でしたが、今回もまた、魅力的な作品がたくさん出来上がりました。

これまでの、桜や紅葉など、具体的なモチーフが設定されたものと比べ「森を描く」という抽象的なテーマでしたが、流れた絵の具の表情からとても自然な形でイメージを膨らませ、まるで生き物のごとく様々な表現形態の風景画が生まれてくる過程を、たいへん興味深く見守らせていただき、よい勉強をさせていただけた気持ちです。

右サイドバー内に、授業の模様と作品をまとめたアルバムを作りました。
先述の通り、途中過程の画像と完成作品を続けて見ていただける様にまとめてみましたが、「生き物のごとく」作品が変化した過程を追体験していただけると思います。

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2014年6月15日 (日)

【レポート】信州高遠美術館アートスクール2014年・日本画入門講座@「銀箔を使って紫陽花を描こう」

6月8日の日曜日、第4回目となる”信州高遠美術館・アートスクール 日本画入門講座”が、開催されました。

日本画入門講座では毎回なにか新しいことを体験していただく趣向で、今回の講座では岩絵の具と並ぶ日本画特有の素材である金属材料のなかから、「銀箔」を使った表現にチャレンジして頂くことになりました。

箔と言えば、金屏風のように一面に箔を貼った表現が一般的ですが、銀箔を下地に用いることで、絵の具の発色を高めたり、独特の質感が表現するテーマです。

モチーフには、季節にあった紫陽花を選びましたが、あいにく高遠町では開花が間に合いそうも無く、私の自宅の紫陽花もやっとつぼみが膨らんだ程度で。

生花店なら季節を先取りしていると思いきや、逆に母の日あたりがピークとの事で、ともに講師を務める高崎さんと手分けしてお互いの地元の生花店をさがじ回り、何とか最低限の鉢植えを確保できたのですが、そんな間に、日当たりのよい所の花はだいぶ色づいてきた様子。

そこで、ご近所のお宅にご協力を仰いだところ、たくさんの立派な紫陽花を用意することができ、無事当日を迎えることができました。

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週末からの大雨で高速の通行止め情報に心配させられましたが、当日の高遠は爽やかな快晴!

一足先に到着していた高崎さんと合流し、美術館スタッフの皆さんにお手伝いをいただきつつ準備を進めていると、間もなく受講者の皆さんが集まり始め、いよいよ授業開始!

概要は告知の記事にも書たとおりですが、少し風が吹いただけでもヒラリと舞ってしまうような銀箔の繊細さに手を焼きつつも、そんな素材感に興味を持っていただけた模様♪

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当初案では、銀箔を小分けに切ったものを大まかに貼り付け、それをベースに花を描いていただく予定でしたが、皆さんが花びら一枚ずつに丁寧に銀箔を貼り集中されている様子が、とても真剣で楽しげに感じたので後半の作業を一部割愛し、銀箔貼りに集中していただくことに。

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その影響で、岩絵の具で描く作業時間が不十分になってしまい申し訳なく思いましたが、最後は受講者の皆さんの必死の頑張りに助けられ、課題を完成することができました。

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最後に、出来上がった作品を並べて講評会。
色とりどりの紫陽花が一堂に並び、壮観!

私自身、最近はあまり箔を使う仕事をしていませんでしたので、久しぶりに箔に触れその魅力を再認識し、皆さんと一緒に受講者として参加したくなるような、楽しいひと時でした。

授業の模様と皆さんの作品をまとめたアルバムを作成いたしましたので、右サイドバーのメニューより、ご一覧いただけたらと思います。

以上、アートスクール開催にあたり、お世話になりました信州高遠美術館スタッフの皆様、、ご参加いただきました受講者の皆様にはたいへんお世話になり、どうもありがとうございました。

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【追伸】
今回および、過去の墨絵ワークショップ等の企画も含め、同様の講座をぜひ他の場所でも開催できたらと思っておりますので、ご興味のある方にはぜひお問い合わせいただけたらと思います。

mu-ra-ta@nifty.com

日本画・水彩画教室 村田裕生まで

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