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2019年12月12日 (木)

【展示レポート】ギャラリーアートポイント Spectrum 2019

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「Spectrum 2019」12月9日より始まりました。

例により、自分自身を理解するため、出品作の解説を書きます。
※本ブログの右サイドバーに制作過程をまとめたアルバムを載せました。

 

今回の出品作には「root」というタイトルを付けました。
これまで描いてきた「木目」に対して「根っこ」の意味での「root」です。

あまり手を出してこなかった金属材料(箔や砂子など)に興味が深まり、本格的に制作に取り入れたのが今回のトピックですが、木目模様の規則性からの反動?で、「もっと自由な線を描きたい!」という衝動があったのも新しいことを試した理由です。

水干絵の具で地塗りした和紙に箔を押し、ぐしゃぐしゃと揉み、表面を削ってできた箔のひび割れ模様に手書きの線を上書きし、ひびを増殖させるような手法で制作を進めました。

Root_004

揉み箔を終えた段階で、金属箔の存在感が強く手を入れるのに勇気がいりましたが、それに負けじと岩絵の具の線を描き込んでいくうち、「ひび割れの”自然さ”に逆らわず、素直に流れに乗ればよい」ということが分かり、すこし気持ちよく無意識になれたように思います。

そんな画面に浮かび上がってきたものは、造影剤で見た血管や、繁殖する細菌のようにも見えたり、あるいは、人工衛星からみた山や河川、鉄道の路線図や道路網のようにも思えてきましたが、そこで気が付いたのは、それらがみな”自然や生命の営みから生み出される形”だということ。

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それは、樹木の枝や、植物の根などにも通じる造形で、人々はそんな自然の造形を”美しい”と感じて風景画や植物画を描くのだと思いますが、それがどうして美しく感じるのか?と言えば、ある種の必然性がそこにあるからではないでしょうか?

血管は体の隅々まで水分やエネルギーを行き届かせるため、木の枝はより効率よく太陽の光を葉に浴びるため、自然が作った川や平野に人が住み着き街ができ、それぞれの街をつなぐ道が作られたわけで、その形は決して偶然にできたものではないのだということです。

そしてそんな自然法則は自然や生命の営みのみならず、紙をぐしゃぐしゃと揉んだ時にも、紙に加えられた力が折り目を作りながら分散しバランスよくひび割れ模様を描き出すわけで、それはやはり自然の風景と同じように美しく思えたりするのかもしれません。

そんな「自然な模様」に自筆の拙い線を描き重ねるのは無粋で愚かな破壊行為にしか思えないようなところもありますが、その作業に自然体で臨むことができたとき、名画を模写するのと同じように、「自然美」を能動的に理解することが出来るのかな?と。

今回どこまで自然と一体になれたか?判りませんが、この新しい試みが「種」だとしたら、まずは「根」が出てやがて「芽」を出すという願いを込めた「root」ということで、ここから少しずつ芽が出るように育ててみたいと思います。

展示は14日(土曜日)まで続きます。
どうぞよろしくお願いいたします。

Spectrum 2019
- 16 Contemporary Artists -

ギャラリーアートポイント
東京都中央区銀座1-22-12
藤和銀座1丁目ビル6F

2019.12.9.Mon - 12.14.Sat
12:00 - 19:00
*12.14.Sat - Last Day until 17:00

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