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2017年7月

2017年7月15日 (土)

【告知】第7回 みすずかる光と風展@本年も参加します

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銀座・あかね画廊にて、2017年8月21日(月)~27(日)に開催される「みすずかる光と風」展に出品します。

この展覧会は、美術評論家中野中さんの呼びかけにより、長野県にゆかりのある作家を集めたグループ展です。

「グローバルな時代だからこそ、ローカリティを考えたくなる(要約)」という中野先生の宣言の通り、自分のパーソナリティーが形成された起源や過程にさかのぼって考察することで、改めて自分の立ち位置や今後なすべきことが見えてくるようにも思います。

そんな目線で自分と長野との関係を考えると、中学3年生に進級する年に千葉に越してしまった私にとっての長野は、間違いなく生まれ故郷である反面自分のルーツと呼ぶには少しおこがましく思える場所でもあります。

大学時代、ストイックな受験生活から一転して真っ白なキャンバスに描く自由を与えられたとき、否応なく自分探しという果てしない作業と向き合うことになったわけですが、田舎と都会を半々に過ごしてきた私にはそのどちらを自分のルーツとすることもできず、根無し草のような心もとなさとともに深い迷いに陥ったこともありました。

都会と田舎に始まった迷いは次第にそのほかにも波及し、、、
日本人だけど西洋文化に染まっているし、古典にも表現主義にも惹かれるし、自由が好きだけど厳しさだって大切だし、優しいねって言われるけどけっこう薄情で残酷なこと考えてるし、、、その他もろもろ、考えれば考えるほど二者択一を迫られ、どちらにも決められないというジレンマに陥っていったわけです。

結局何一つ選べぬまま学校を卒業してしまい、いつの間にか千葉に住んだ期間が長野時代を超えたころ、「その迷いこそが自分自身であり、どちらかに決めてしまう事よりも、常に迷いながら思考を続けることのほうが大切」という答えにたどり着くことができたように思います。

ほぼそのタイミングで新たなきっかけを探してアメリカの姉を訪ねる旅を計画したのですが、姉の住むサンタフェの街はどことなく私たちの生まれた諏訪に似ていて、姉がどうしてここを選んだのかすぐにわかった気がしました。

しばらくそこに滞在し、あちこち出向いてスケッチをするうちに、生まれ故郷の長野の風景が自然と重なって、山に囲まれた自然の風景が自分にとってシンプルに居心地の良い場所と思えるようになりました。

それはきっと、自己表現の道具として自分のルーツを探していた時には見えなかった景色なのだと思いますし、長野で生まれ育ったという「事実」がアートになるわけではなく、何気なく見てきた故郷の風景を美しいと再認識できた、その「気づき」こそがアートたりえるのではないかと。

そういう意味では、相変わらず私は根無し草でどちらつかずの中途半端な存在のままですが、だからこそ誰よりも客観的に長野の魅力に気が付くことができるのだと、、、そんなスタンスでこの展覧会とかかわりながら、そんな私を長野の仲間として受け入れてくださった中野先生とメンバーの皆さんには感謝しています。

でもって、今回の作品は、、、「夏の桜」がテーマです。
春には華やかに注目を浴びる桜や梅を、夏になるとみんな忘れちゃう。
でも、うだるような暑さの中で精いっぱい日を浴び、エネルギーを蓄え、やがて来る厳しい冬に備える力強さと控えめ(?)な存在感が感動的だと。

上の文脈になぞらえて言うなら、そんな「夏の桜」の魅力に改めて”気付いた”時の「!」という気持ちを表現できたら良いなと思っています。

夏休み中のちょっと外に出るのが億劫にもなるころの展覧会ですが、そんな環境もひっくるめて「夏の桜」を感じてもらえたら幸いです。

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■第7回 みすずかる光と風 展 企画:中野中

2017年8月21日(月)~27(日)
11:00~18:30
(初日は12:00~、最終日は17:00まで)

出品者

桶田洋明 木下日和 小池悟 近藤伸子 齊藤澄人 塩原俊郎

田中寛美 西村大岳 村田裕生 吉田正

http://www.akane.com/

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2017年7月 8日 (土)

【レポート】信州高遠美術館アートスクール2016年・日本画入門講座@「和紙のにじみを活かして紅葉を描こう」

高崎昇平さんとのコラボで毎年開催している信州高遠美術館・アートスクールの日本画基本講座。
2016年11月6日の「和紙のにじみを活かして紅葉を描こう」のレポートです。

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本講座では、日本画絵具と並ぶもう一つの重要な素材である和紙について、その特質を体験的に知ってほしいという事で、あえてシミ止めのきいていない生紙を用いて絵具のにじみを味わってもらいます。

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一般的に、紙漉きしたままの和紙は布に水がしみ込むようにジュワっと絵具などがにじんでしまうため、決まった形や線を描くことが困難です。
そこで、にじみを防ぐシミ止めを施して必要以上に絵具などがしみこまないようにしています。

通常の日本画では、しっかりとシミ止めのきいた和紙を用い、絵具は紙の表面に食いつくように定着するのですが、墨絵や書道に用いる和紙は適度な強さのシミ止めで、用紙の内部に程よく絵具や墨がしみこむようにしてあります。

したがって、今回描く作品は、やや墨彩画よりの日本画といった感じで、前半は墨彩画にも用いる水干絵具を用い、和紙のにじみを体感しながらぼかし塗りの下地を作成し、後半はしっかりとシミ止めを施したうえで和紙をパネルに張り込み、岩絵の具委で描くという、やや複雑な工程での作業になります。

描くモチーフは秋らしく紅葉の葉を描きますが、自由の利きづらい生の和紙に絵具をにじませることで、思いもよらぬ魅力的な表情が現れ、更にそれを見てイメージが膨らむような形で楽しく画を描いてみようというテーマです

以下、授業用の資料に沿って解説します。

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【1ページ目】
和紙ににじみ止めについての基本的な知識をかんたんにまとめました。
改めて考えると、油絵、水彩画、その他もろもろ、ほとんどの絵画は紙などの支持体の表面に絵具が重ねられており、用紙に墨や絵の具がしみこむ絵画というのは珍しいと感じます。

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【2ページ目】
まず手始めに水干絵具作りから。
失敗を恐れずに遊び感覚で実験できるよう、試し塗り用の用紙を準備し、まずは落書き感覚で自由に絵具を塗ってみることにしました。

あらかじめ紙を水で濡らしたときと、乾いた紙にいきなり絵の具を塗るときで同じ絵の具での表情が変わります。
また、選ぶ色によって描く作品の方向性が決まってくるので、色選びも重要です。

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【3ページ目】

テストピースの中から気に入った一枚を選び、本番用の用紙にその色彩を再現します。
もちろん、必ず見本の通りでなくてもOK。
ぼかし塗りが完了したら、よく乾燥してシミ止めのドーサを引いて、パネルに張り込みます。

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【4ページ目】
パネル張りされた和紙に岩絵の具で紅葉を描いていきます。
鉛筆で下書きをしたり、葉に絵具をつけてスタンプ、画面に葉を置いてその周りにステンシル等々、やり方も自由。

下地の時に偶然できた模様からイメージを発展させ、リズムよく紅葉を描くことができたら理想です。

以上で終了。

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授業の模様と、生徒さんの描かれた作品を右サイドバーのアルバムにまとめました。

下記リンクからもジャンプすることができますので、ぜひご覧いただきたく思います。

今回初めて薄手の和紙を用いて

【アルバムへのリンクはこちら】

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【レポート】信州高遠美術館アートスクール2015年・日本画入門講座@「絵具を流して、森を描こう」

2015年5月24日、信州高遠美術館にて開催された、「アートスクール2015年・日本画基本講座@絵具を流して、森を描こう」のレポートです。

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本講座では、日本画絵具のなかでも一番主流の岩絵の具について、直接絵具と触れ合いながら理解を深めてもらうのを目的に、「溜め塗り(ためぬり)」や「垂らし込み(たらしこみ)」といった技法を体験してもらいました。

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具体的には、水分を多めに含ませた絵具を塗った画面を斜めに傾け、更にその上から絵具や水を垂らすことで、絵具の流れや溜まりを作って物理的な凹凸やにじみなどの自然現象を活かした画面作りを楽しみながら、偶然できた模様を頼りに山や森などの自然を描くのがテーマです。
以下、授業用の資料に沿って解説します。

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【1ページ目】
日本画絵具の基本的な知識をかんたんにまとめました。
岩絵の具にも、天然・新岩・合成・・・などの素材の種類があること。
そしてそれぞれの絵具に、粒子の粗さによって番号が振り分けられていることなど。
素材や製造工程の画像を添えて解説しています。

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【2ページ目】

岩絵の具を作り画面に塗る工程。
絵具を塗ったパネルをミニイーゼルに載せて、絵具を流します。

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【途中過程】すでに絵になってます!

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【3ページ目】
出来上がった下地に、自然の風景の下絵を描きます。
偶然できた模様に想像力を働かせながら、山や樹木などの風景を描きます。

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【4ページ目】
下図を基に、岩絵の具を使って風景を描き込んでいきます。
絵具を流して作った下地の雰囲気を適度に残しながら、具体的なフォルムを描き、作品として仕上げていきます。

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授業の模様と、生徒さんの描かれた作品を右サイドバーのアルバムにまとめました。
下記リンクからもジャンプすることができますので、ぜひご覧いただきたく思います。

作品画像は、途中過程で絵具を垂らした状態のものも撮影しました。
完成作も素晴らしいですが、途中過程にもまた未完ゆえに想像力を掻き立てる魅力があるように思います。
順番は整えていませんが、途中過程と完成作品を比較しながら結び付けて見るのも面白いかもしれません。

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