【展覧会レポート】二木一郎 日本画展
先輩日本画家「二木一郎」氏の個展を見に、上野松坂屋へ行って来ました。
会場は、私が昨年お世話になった「サロン」に隣接する「画廊」で、そこへ向かう乗りなれたエレベータを降りると、偶然にも二木氏に遭遇。
「一服しに行くところだった」とおっしゃるので、昭和テイスト漂う屋上で、しばしお付き合いしてから画廊に向かいました。
「サロン」の2倍はある「画廊」の広さがどんなか?個人的に気になるところでしたが、開きすぎず詰めすぎず、作品サイズもバランスよく纏まり、「とても見やすい展示だな」と言うのが第一印象。
そして、会場で一番目を惹くのが、案内状写真にも使われた「聖堂夜雨」。
残念な事に、夜景作品は額のアクリル板へ映り込みが強く、「これ、辛いですね」と、先ずはそんな会話から、、、「ココは、20年前に初のイタリア取材に出て、最初にたどり着いた場所で、ある意味イタリア取材の原点とも言える聖堂なんです」と言う、取材の裏話など。
「これだけの”大ネタ”を20年も温存したところが凄い!」と、別の意味でも驚いてしまいましたが、まだまだ、ネタは大量に寝かせておられるとのこと♪
そして、案内状のもう一枚の写真に使われた「献花」は、氏曰く「ゴネちゃって、直前まで苦しんだのだ」そうですが、、、じっくり作品を観察すると、そんな「ゴネ感」が、一筋縄では行かない微妙な風合いをかもし出しているようで、とても魅力的に感じました。
描き手の心情としては、スッと描ける事に期待しがちですが、しっかり「苦しみぬいた」作品には、やはり、心惹かれるものがあります。
そして、会場に一点だけ人物画があり、担当画商さんがその事について質問すると、「ホントは、全部人物画にしてもいいと思うほど、描きたい気持はあるんですよ」と。
でもむしろ、一点だけそっと忍ばせてある様子に、大切に思ってらっしゃる気持が表れているようで、私は二木氏のそんな「態度」をとても尊敬します。
最後に、全体を振り返り、、、引き篭もりがちな私への自省も込めて「海外取材も良いと思った」と、感想を伝えると、「ヨーロッパの風景は、街でも田園風景でも、何処かしらに”人の手”を感じるんだよね」と。
その微妙なニュアンスを文章にするのに苦慮しますが、、、
例えば、家の修理をする場合、日本では壊れた場所を元通り綺麗に直すのを美徳と考えますが、あちらでは色違いの屋根瓦も平気で使い「いい加減」ではあるのですが、そこに彼ら独特のバランス感覚や遊び心があって。屋根では違和感のある色違いの瓦が、街全体から見ると不思議と調和してしまう。
もちろん、意識的にそうして居る訳ではないのだけど、彼らの「血に刷り込まれた文化」のなせる業なのではないか?と。
「そんな文化を脈々と受け継ぎ残してきた、人々の歴史を感じながら、私はその風景を描いているのだ」と、私には二木氏がそう仰ってように聞こえました。
■二木一郎日本画展
会場:上野松坂屋 南館5階 美術画廊
〒110-8503
東京都台東区上野3-29-5
TEL 03-3832-1111
会期:2月25日(水)~3月3日(火)
時間:午前10時~午後7時30分(最終日5時まで)
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)










最近のコメント