鈴木氏が教室に
先月の教室展でお隣さんになりました鈴木俊秀さんが、仲良くなった生徒のN君の誘いで教室に遊びに来てくださいました。
「僕も何か描いていたほうが教室に馴染みますかね?」と、周りに気遣って下さる鈴木さんに、「では、何か・・・」と思っていたところ、、、今週から新入門されたWさんのデッサン課題用に用意しておくはずだったスケッチブックを買い忘れたことを思い出しまして。
そういう時のために用意している(?)、一日で終わる「緊急課題」を、せっかくなんで、二人一緒にやってもらうことになりました。
その課題とは、こちらのページに紹介してありますアメリカでの墨絵ワークショップのときに考えたもので、「墨の濃淡を使って樹木のある風景画を描く」というものです。
先ずは、新入生のWさん曰く「小学校のとき以来です」という墨摺りから。
二人が熱心に墨を磨り始めると、様子を見守っていたN君が・・・「あっ、なんか、いい匂いがしてきた~!」と。
そう、墨って、いい匂いなんですよね~♪
墨磨りが終わると、次はグラデーションの練習。
墨絵用の和紙を用意し、全体を水でぬらします。
和紙は、他の画用紙などと違い吸水性があるので、そのまま墨を入れると筆跡がそのまま染み残ってしまうので、滑らかなグラデーションを作るためにはあらかじめ紙を塗らしておく必要があります。
全体が適度に湿ったら、和紙の端のほうから段階的に墨を入れて行きます。
Wさんにやり方を示し、ふと隣に目をやると、水彩作品の繊細さから慎重な方とお見受けしていた鈴木さんが、思いっきりどす黒い墨を画面にババっと氾濫させていて、びっくり!意外と思い切りがいい方のようです(笑)
「いやあ~、とんでもない事になっちゃいました」と焦る鈴木さんにちょっとだけ手を貸し、浮いた墨をタオルで吸い取ると、その後は次第に筆先の感覚が分かってきたようで、きれいなグラデーションが完成。
で、そのときのWさんはと言うと、一番細い線描き用の面相筆でグラデーションを作っていまして、、、この二人、案外、曲者かも?(笑)
その次は、新しい用紙に切り替え、いよいよ本番の樹木です。
先ほど説明した墨絵和紙の「染まりこみ」を逆利用し、あらかじめシルエット状の樹木を白紙に描き込んでおき、後から背景ごとグラデーションを掛けて絵を作ります。
そんな訳で、次の工程は樹木の描画です。
この課題ではいつも、「シルエット状になってさえ居れば、どんな木でもOK」と言う事にしていまして、、、ちょっと意地悪ですが、モチーフが無い分生徒さんの「生の個性」が出るので、とても楽しみな工程でもあるのですが。。。
新入生のWさんは、少し右側に芯をずらし、直立する素直な樹木を描き始め、鈴木さんは、筆の勢いを利用しやや即興的に味のある木を描きを始めました。
簡単に描いてしまえば10分足らずで終えることも出来る工程ですが、お二人とも独特の拘りがあるようで、じっくり時間を掛けて樹木の描画が完了。
時間を掛けただけあって、両者の個性際立つ素敵な木が2本仕上がりました。
そこで、最後の背景付け工程。
描きあげた樹木に、グラデーションの背景を付けていきます。
今度は、練習のときの単純作業とは違い、絵作りなので、グラデーションのパターンはそれぞれにお任せすることにし、静観。
Wさんは天地双方からグラデーションを掛け、地平線から光が射してくるような流れで、鈴木さんは地面方向から空が明るくなるように、グラデーションを掛け始めました。
最初は恐る恐る様子を見ながらの作業でしたが、少しずつ雰囲気が出て来るとイメージが膨らみ始めたようで、絵のほうも次第に「グラデーション」から「空」へ変わっていきます。
写真を撮らせて貰えばよかったのですが忘れてしまい、ココでお見せできないのが残念ですが、双方とも、柔らかで落ち着いた中にも、独特の個性が際立つ作品が完成しました。(掲載した写真は、私が見本に描いたグラデーションです)
そこで既に時間が過ぎていましたが、大急ぎで裏打ち作業。
他の生徒さん達も、二人の仕事の完成を見届けるまで残ってくださり、裏打ちも完了。
一日で完結していい記念になるのがこの課題の良いところです♪
(他の生徒さんも、ご興味あれば、いつでもやって見てください)
「凄く楽しませてもらいました」と、嬉しそうに教室を後にした鈴木さんの姿に、改めて、教室展から始まった交流に、私も嬉しい気持ちで一杯になりました。
また、遊びに来てください♪
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