【展覧会レポート】橋田画廊「第2回 村田裕生・日本画展」@作品写真
橋田画廊ホームページの作家紹介コーナーに、諏訪展出品の新作画像を追加しました。
今回の作品展は、昨年開催しました池袋・上野での個展作品をベースに新作を加えた巡回展と言う形を取りましたので、一部相違はございますが、ほぼ全ての出品作品がご覧いただけると思います。
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橋田画廊ホームページの作家紹介コーナーに、諏訪展出品の新作画像を追加しました。
今回の作品展は、昨年開催しました池袋・上野での個展作品をベースに新作を加えた巡回展と言う形を取りましたので、一部相違はございますが、ほぼ全ての出品作品がご覧いただけると思います。
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諏訪・橋田画廊での個展の模様をアルバムにアップしました。
会期中の日記などはのちほどレポートさせていただく積りでおりますが、取り急ぎ会場の模様をご覧頂けたらと思います。
http://artschool.cocolog-nifty.com/photos/2009suwa/index.html
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ただいまをもちまして、個展に向けた制作作業を終了しました。
これから少し仮眠の後、最後に仕上げた作品を写真撮影し、全てを車に積み込んで長野へ発ちます。
前回個展からの制作期間を思い返せば、、個展の準備期間としての七ヶ月はあまりに短く、精神的にはとても長い緊張の連続だったようにも思いますが、、、。
昨日の晩までは、まだ仕上げに不安の残る作品が幾つか残っていましたし、仕上がったものも何処かしら不十分に思え、本当に自分が頑張れたのかどうか?良く分からないような複雑な気持ちでしたが、こうして終わってみれば、未熟な部分も含めて今の自分の全力を出し切ったと思いますので、潔く現実の力量を受け入れ、清清しい気持ちで展覧会に臨もうと思います。
そして、絵画教室の皆様には、度々のお休みなどご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解とご協力を頂き、心より感謝いたしております。
それでは
展覧会の模様など、改めまして報告を入れさせていただきます。
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5月末から開催予定の個展DMの入稿を完了しましたので、DMハガキのご紹介と共に告知させていただきます。
生まれ故郷長野県諏訪市での第2回目の個展となります。
絵画教室の生徒様方には遠方になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
■村田裕生 日本画展
会期:2009年5月30日(土)~6月7日(日)
時間:午前10:00~午後7:00(最終日は午後5:00まで【予】)
会場:長野県諏訪市 「橋田画廊」
〒392-0017
長野県諏訪市城南1-2550
TEL 0266-52-3420 FAX 0266-52-3653
http://www.hashida.jp/index.html
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DM用作品「雨上がりの道」の制作過程です。
霧深い早朝、霧ケ峰高原へから美ヶ原へ抜けるビーナスラインを取材した風景を描きました。
日の出を見たくて深夜から取材に出かけたのですが、あいにくの雨。
「霧ケ峰高原」と言う名の通り、深い霧に包まれ取材どころか、あたり一面何も見えないくらいの状況で、、、。
やがて空が白み始め、それと共に霧も晴れてきたところでこの風景に出会いました。
【1枚目】
木炭で軽く当たりを取ったところへ彩色。
霧の中の風景なので、形よりも雰囲気を大切に描こうと思っています。
【2枚目】
少し濃い目のブルーで樹木の存在感を描き込み。
【 3枚目】
緑青色でブルーにふくらみを与える。
【4枚目】
空の部分を明るく。
【5枚目】
空にぼかしを掛け、霧の雰囲気を深く。
【6枚目】
樹木を描き起こし。
【7枚目】
遠景の描き込み。
【8枚目】
近景の草むらなどの描き込み。
【9枚目】
まとまりを考えながら微調整。
【10枚目】
更に微調整。
微妙に変わったのが分かるでしょうか?
【完成図】
更に細部を整え、サインを入れました。
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5月末の個展に向けて追い込みがスタートしました。
産みの苦しみを抜け「あとは描くだけ」というこの時が、ある意味一番楽しい工程なのですが、集中して絵を描いていると、反動で無性にやりたくなるのが「スプレー塗装」。
(ちなみに、塗装は私の趣味のひとつで、ノートパソコンから車まで手当たり次第塗り尽くして来ました・・・笑)
でもなぜ、さんざん絵に色を塗ってるのに、「色塗り」がしたくなるんだ?と、自分でも不思議に思い考えてみると、両者は「似て非なるもの」で、絵では「表情を出す」のが大事なのに対し塗装はむしろ「表情を出さず」均一に塗る事に価値がる訳で、、、神経を研ぎ澄ましつつ「無」になれるのが魅力なのです。
要は、「絵も、塗装のように気持ちよく色塗りできたらどんなに幸せだろう・・・」と言う心理なのかも知れませんが、翻せば、日本画絵具が上手に使いこなせている時の感覚は、「スプレー塗装」に近いものがある様にも思うのです。
なぜなら、日本画はある意味”砂絵”ですから、「塗る」というより、絵具の粒子をスプレーするように「蒔く」感覚で使えた時は、「表情を出そう」としながらも「無」になれるからです。
・・・
そんな事を考えつつ作業をしていると、お正月以来久々に、フィリピンの菊地氏から作品写真を添えたメールが届きました。
今回の”菊池式山水画”は、「夕暮れの深山」と名づけられた、山奥の滝を描いた作品で、お正月に送られた極彩色の作風と、以前の教室での渋目の色調の作風が程よくミックスされ、菊地氏の新たな心境が垣間見られる一枚でした。
ご本人曰く、「マニラは今、一年で最も暑い時期を迎えていますが、このマニラで、こういう絵を描く心境が自分でもわかりません。」との事で、私にも全く想像つかない心境ですが、遠く離れた地に居るからこそ、「心の原風景」を求める心理がはたらくのかもしれません。
更に続けて、、、
「今回の形状は、「対角線」構図です。(中略)中国・山水画には、画面に描くものをどう配置するか、について、甲、由、則、須、対角線などの「型」があるとの奥儀の解説本(寒梅人 先生)を参考に、今回は、対角線、構図で描いてみたということで、それに、村田先生から教わった「左右均等の崩し」という日本画の常道のような画面構成も採用して、描いた次第です。
との事ですが、菊地氏は、コンセプトにすえた「対角線構図」がやや強調され過ぎたため、それを抑えるために歯ブラシで白絵具をスプレーする手法で霧を描いたのですが、今後の”野望(課題)”として、「いずれ同じ表現を岩絵具による暈し塗りでチャレンジしてみたい」と。
そこで、やっと、こじつけ気味に冒頭の話題とリンクしてくる訳ですが、、、(苦笑)
岩絵具を「蒔く感覚」で霧の表現にチャレンジされたら、きっと面白いと思いますので、ぜひご無事で帰国され、教室でその”野望”が実現される日を楽しみに、私自身も追い込み作業を頑張ろうと思います♪
・・・
そんな訳で、前回同様、アルバムのほうに作品掲載させていただこうと思いますが、今回は、経過報告に送っていただいた制作過程も並べてご紹介させていただきますので、遠くフィリピンの地で描かれた山水画の試行錯誤の過程を皆様にも感じていただけたらと。
なお、当ブログのアルバムは、教室の皆様や読者の方にも自由に解放したいと思っておりますので、菊地氏同様、掲載をご希望される方は、私宛ご一報ください。
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銀座「ミレージャ・ギャラリー」にて開催された、「9ue les filles Girls Illust Exhibition 展」を見て来ました。
http://www.mireyagallery.com/konsyu.html
この展覧会には、絵画教室の生徒さんでイラストレーターの「MARYCOさん」が出品されており、案内を頂きました。(DM画像の右から三人目が彼女の作品です)
ギャラリーは、入り口側の細長い空間から奥の四角い空間へと繋がるようなレイアウトになっていまして、出品者の方々曰く「特に分けようとした訳ではないんです」との事ですが、手前側が手書きのアナログ作品、奥側がパソコンで描いたデジタル作品と言う構成になっていました。
日曜日と言う事もあって、メンバーの方々が画廊に集っていまして、少しお話しすることが出来たのですが、、、「ガールズイラスト」と言うテーマ以外の縛りはなく、それぞれに描いた作品たちがバランスよく纏まった展示だったので、「これだけのメンバーがどうやって集まったのか?」と訪ねたところ、「ネットを通じて知り合った仲間」なのだそうで、、、なるほど!と。
「”学校で同じクラス”とか、”仕事の関係で~”という様な繋がりとは違い、”魂で惹かれあった仲間”なんですね!」と、ちょっと大げさですが、そんな感想を伝えさせてもらいました。
私は美術大学でアカデミックな教育を受けましたが、進路決定の段階では、写真やグラフィックデザインなどにも興味がありましたし、「現代日本画」という、”伝統”と”現代”の板ばさみの矛盾に対する葛藤に煮え切らないものを感じる事もありますので、彼らの「まっすぐに”現代”を生きる姿が」、潔く眩しく輝いて見え。
もちろん、私は好き好んで「葛藤の道」を選んだ訳ですが、、、「どんな境遇」で、「どんな心境」で、「どんな材料を使って」絵を描いていようと、そんな先入観を取っ払ってしまえば、全てが同じ「一枚の絵」な訳で、そこに境界線を引くこと自体が無意味ですし、自分が普段考えている事も、なんだか小さなことのように思えてくる、爽やかな展覧会でした。
■9ue les filles Girls Illust Exhibition 展
会場:銀座ミレージャギャラリー
東京都中央区銀座2-10-5 オオイビル4F
会期:2009年3月4日(水)~9日(月)
http://www.mireyagallery.com/
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府中市美術館の企画展「光と光とが出会うところ~府中市美術館近年の収蔵作品―現代の美術を中心に~」のおよび常設展示のレポートです。
今回は、出品作家の一人である友人からの突然の誘いで足を運びましたが、企画・常設共に、とても興味深い展覧会でした。
府中市美術館は、「生活と美術=美と結びついた暮らしを見直す美術館」をテーマに、2000年10月に開館した新しい美術館で、江戸後期から現代にいたる作品の収集と共に、教育普及活動にも熱心なようで、そんな「市民の美術館」としての姿勢が館内の空気からも感じ取れます。(わが街にもこんな美術館が欲しいです)
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html(府中市美術館HP)
春には満開になるであろう桜並木を抜けて館内に踏み込むと、そこは大きな吹き抜のエントランスとなっており、エスカレータで2階に上がると、外界の空気から隔離された静かな展示空間が現れます。
今回の企画展は、収蔵品の中でも1970年代以降の現代作品を中心としたセレクトになっておりますので、展示室に並ぶ作品は色とりどりで、これをバランスよく並べるのには苦労したのではないか?と。
そして、それらの全てに解説文が添えられ、隣接する作品などと関係付けながら個々の作品を理解出来るよう紹介されていました。
その辺りから、美術館が収蔵作品をセレクトした意図など考えてみたりするのも、こういった展示のもうひとつの楽しみ方かもしれません。
そんな事に思いを巡らせながらじっくり鑑賞していると、友人に「ココは、常設展も見ごたえあるから急いだほうがいい!」と声を掛けられ、ふと我に返ると、閉館時間まであと30分。
そこからは少し駆け足になってしまいましたが、常設コーナーへ。
そこには、明治から昭和初期ぐらいにかけての近代絵画が並びます。
一部を除きほぼ全てが油絵で、コレクションの姿勢には一貫したものが感じられ、隣の企画展示と併せると、この美術館の「美意識」のようなものが伝わってくるように思えました。
個人的に、「山口薫」、「麻生三郎」、「香月泰男」、「瑛九(初めてなまで見ました!)」の作品に目を奪われました。
なぜなら、近代日本絵画を創造して来た彼らの作品には、「日本人が西洋文化である油絵を描く意味とは?」という、ある意味矛盾に満ちた難題に葛藤し、真正面から向き合い模索する姿勢が感じられるからです。
それは、「日本画」という”あやふやな概念(幻影)”の前に苦悩する私たち「現代日本画家」に、時代と立場を変えて受け継がれているようにも感じ、もしかしたら、純粋な日本画作品よりも、こちらのほうが今私達が考えている事のルーツなのではないか?とすら思え。
彼らの姿勢にシンパシーを感じると共に、私達日本画家は「岩絵具(日本画絵具)を使っている」という絶対的な条件に胡坐をかいて考える事を怠っていないだろうか?・・・と。
企画・常設展含め、日本画作品は殆どありませんでしたが、「日本画」について、改めて考えさせられる展覧会でした。
■「光と光とが出会うところ」
~府中市美術館近年の収蔵作品―現代の美術を中心に~
会場:府中市美術館
会期:2009年2月14日(土曜日)から3月15日(日曜日)まで
時間:午前10時から午後5時まで(入場は午後4時30分まで)
(休館日:月曜)
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/hikaritohkari/index.html
【注】まだ考え中なので、後に内容を変更するかもしれません。
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先輩日本画家「二木一郎」氏の個展を見に、上野松坂屋へ行って来ました。
会場は、私が昨年お世話になった「サロン」に隣接する「画廊」で、そこへ向かう乗りなれたエレベータを降りると、偶然にも二木氏に遭遇。
「一服しに行くところだった」とおっしゃるので、昭和テイスト漂う屋上で、しばしお付き合いしてから画廊に向かいました。
「サロン」の2倍はある「画廊」の広さがどんなか?個人的に気になるところでしたが、開きすぎず詰めすぎず、作品サイズもバランスよく纏まり、「とても見やすい展示だな」と言うのが第一印象。
そして、会場で一番目を惹くのが、案内状写真にも使われた「聖堂夜雨」。
残念な事に、夜景作品は額のアクリル板へ映り込みが強く、「これ、辛いですね」と、先ずはそんな会話から、、、「ココは、20年前に初のイタリア取材に出て、最初にたどり着いた場所で、ある意味イタリア取材の原点とも言える聖堂なんです」と言う、取材の裏話など。
「これだけの”大ネタ”を20年も温存したところが凄い!」と、別の意味でも驚いてしまいましたが、まだまだ、ネタは大量に寝かせておられるとのこと♪
そして、案内状のもう一枚の写真に使われた「献花」は、氏曰く「ゴネちゃって、直前まで苦しんだのだ」そうですが、、、じっくり作品を観察すると、そんな「ゴネ感」が、一筋縄では行かない微妙な風合いをかもし出しているようで、とても魅力的に感じました。
描き手の心情としては、スッと描ける事に期待しがちですが、しっかり「苦しみぬいた」作品には、やはり、心惹かれるものがあります。
そして、会場に一点だけ人物画があり、担当画商さんがその事について質問すると、「ホントは、全部人物画にしてもいいと思うほど、描きたい気持はあるんですよ」と。
でもむしろ、一点だけそっと忍ばせてある様子に、大切に思ってらっしゃる気持が表れているようで、私は二木氏のそんな「態度」をとても尊敬します。
最後に、全体を振り返り、、、引き篭もりがちな私への自省も込めて「海外取材も良いと思った」と、感想を伝えると、「ヨーロッパの風景は、街でも田園風景でも、何処かしらに”人の手”を感じるんだよね」と。
その微妙なニュアンスを文章にするのに苦慮しますが、、、
例えば、家の修理をする場合、日本では壊れた場所を元通り綺麗に直すのを美徳と考えますが、あちらでは色違いの屋根瓦も平気で使い「いい加減」ではあるのですが、そこに彼ら独特のバランス感覚や遊び心があって。屋根では違和感のある色違いの瓦が、街全体から見ると不思議と調和してしまう。
もちろん、意識的にそうして居る訳ではないのだけど、彼らの「血に刷り込まれた文化」のなせる業なのではないか?と。
「そんな文化を脈々と受け継ぎ残してきた、人々の歴史を感じながら、私はその風景を描いているのだ」と、私には二木氏がそう仰ってように聞こえました。
■二木一郎日本画展
会場:上野松坂屋 南館5階 美術画廊
〒110-8503
東京都台東区上野3-29-5
TEL 03-3832-1111
会期:2月25日(水)~3月3日(火)
時間:午前10時~午後7時30分(最終日5時まで)
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何処かの紹介記事で読んだ「日本画爆裂男(記憶不確か)」と言う、異名に惹かれ、佐藤美術館へ。
私自身、「芸術は爆発だ!」と思って絵を描いていませんが、他人の「爆発」には興味があります(汗)
佐藤美術館は今回が初めてで、何故か分かりませんが「都会のビルの谷間にあるガラス張りの美術館」と言うイメージを描いていたのですが、実物は新宿御苑を臨む閑静な場所にひっそりと存在していて、看板がなければ気付かず通り過ぎてしまいそうな佇まい。
そんなビルの小さな入り口をくぐると、可愛らしい受付があり、先ずはエレベーターで3階展示室へ。
総延長20メートルを超えると思われる壁面いっぱいに、ぐるりと連なった屏風は「三十四曲一隻」だそうで。
「うん、やりたい事は充分に分かった。」と♪
「怖いもの見たさ」に期待しすぎてしまったせいか、あまり「怖い」とは感じなかったです。
その理由を上手く伝えるのは難しいんですが、、、言葉が多すぎて、想像力の広がりを待って貰えない感じとでも言いましょうか?
この場合、屏風より平面に描いたほうが、見る側が自由に句読点を付けられるので良いのではないか?と感じましたが、、、如何でしょう?
そして、4階の展示室は、一言で言うならば「カオス」。
3階以上に「やっちまった感」全開で、ある意味壮観でしたが、「もう少し自分を大切にして欲しい」と、私は思ってしまいました。
でもきっと、私が感じた事は、彼の「意図」でもあって、その「違和感」こそが「爆裂」の正体なのだろうと、、、今回の「結果」よりも、むしろその「次の一手」がどんなものになるのか?彼の未来に期待しつつ、会場をあとにしました。
http://www.art-index.net/art_exhibitions/2009/01/post_304.html
【追記】
引用したアドレスの「コンセプト」の文章が、私にはとても魅力的に感じました。
彼の「爆裂」は、「日本画」という正体不明の呪縛と真正面から向き合う事から
生まれた、「ひとつの答え」なのかもしれません。
■三瀬夏之介展 「冬の夏」
会期:2009年1月15日(木)~ 2月22日(日)
会場:佐藤美術館
東京都 新宿区 大京町31-10
電話番号 03-3358-6021
時間:10:00~17:00 金曜日のみ~19:00
休館日:月曜日
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先日の教室で、ちょっと面白い話を聞きましたので、そんな話題。
絵を描くときのBGMについて・・・なのですが、皆さんはどうされてますか?
教室でそんな話題になった発端は、家の中の何処で絵を描いているか?と言う話になり、一人の生徒さんが「私は、食堂の机が一番集中できるんです」と。
「でも、私、けっこうハイテンポなポップスみたいなのを聞いて気持ちを盛り上げないと描けないんで、主人に呆れられてます」と(笑)
「うんうん、そんな時もありますね!、分かる分かる」なんて、頷きながら聞いていると、、、もう一人の生徒さんが、「私はキミマロ(綾小路)聞いてますよ!」って(笑)
この手の話題は、大学時代の絵描き仲間の間でも良く話したんですが、人それぞれ好みが分かれてとても面白く、、、。
ある人は、「音楽よりも言葉の入るラジオの方が良い」といい、ある人は「ラジオは思わず聞き入ってしまうので、画面の無いテレビの音が良い」とか、「空気を変えるのにはチベット密教のお経が一番」なんて人まで(汗)
ちなみに私は、「ドラマ派」だったりします。
日本のドラマも良いですが、深夜に放送している吹き替え物の海外ドラマや映画なども、なかなか♪
でも、最近、iPod用の「iTunes」と言うソフトの使い方を、遅ればせながら覚えまして、音楽を聞きながら描くのに嵌っています。
と言うのも、、、ココのところ何年か、音楽を聴けない体になっていて。
原因ははっきり分からないんですが、音楽を聴くと不用意に感情が揺さぶられるようで、あまり心地よく感じられなくなっていたようにも思うし、単に感性が枯れてきていただけなのか?(汗)
ところが、昨年末にレンタカーを借りて一人旅に出た時に、眠気防止に買った一枚のCDがとても気に入って宿でも聞きたくなり、持参した愛機「iBookG4」にCDを差し込むと(一年前に中古で買ってから一度もCDを入れたことが無かった)、、、iTunesが勝手に起動し「CDを取り込みますか?」と!
そんなきっかけで、CDの音楽をパソコンに取り込む方法を覚えまして、音楽熱が再燃。
家に戻ると、アトリエのパソコンにもWindows版のiTunesを導入し、懐かしいCDを次々データベース化!
iPodは持ってませんが、このソフトの優秀さが、iPodを空前のヒット作へと導いたと言うのも頷ける便利さですが、その最も凄いところは、吸い出した曲にしっかり曲名がつき、アーティスト名やアルバム、ジャンルごとにきっちり分類されて格納されていく事で。
それらのデータは、CDにもともと書き込まれているわけではなく、アップル社のデータベースの中から検索して引っ張り出してくるのだそうで。
売り物のCDならともかく、個人的にアナログレコードから起こしたCDRに入っている曲までいきなりタイトルがついたのでびっくり(汗)
・・・
かくして、画像処理とドラマ再生にしか使っていなかった仕事場のパソコンが、ジュークボックスと化した訳ですが、、、。
どんな曲を聴いているのか?は、恥ずかしいのでヒミツです(苦笑)
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大学の同級生の阿部千鶴さんの個展があり、船橋の東武百貨店に行って来ました。
代々木の某美術予備校で知り合った頃は物静かな女子高生でしたが、私たち浪人生に混じって現役合格してしまった”つわ者”で。
*いつまでも”それ”を言われるのが、もしかしたらご本人は嫌かもしれません・・・(謝)
大学当時から精神年齢高めで「マイペースな”風格”」漂う存在でしたが、卒業後はさらにパワーアップした印象で、同期のなかでも最も活躍する一人なので、度々展示の案内を貰い活動の様子は窺いつつ、、、出不精で不義理していたので、数年ぶりの再会に緊張気味に画廊へ向かったのでしたが。
蓋を開けたら、まるで昨日まで一緒の教室に居たような雰囲気に戻れるのが、旧友との再会の不思議なところで♪
密かに私のHPなども見てくれていたようで、「村田さんに会えたら教室の話とか聞こうと思ってたのよ~」なんて言われて調子に乗り、聞かれた3倍くらいお喋りしてしまい。
「またやってしまった~(汗)」・・・と。
緊張すると、変にお喋りになってしまうのが、最近の私の悪い癖なのでありました。
それはともかく、、、作品のほうは、ご本人曰く「娘が生まれてから、子供目線で”お菓子”とか”おもちゃ”とか、身の回りのものを描くようになっちゃったんで、もっと、(作家としての)展開とか考えなくちゃいけないんだけど。。。」との事でしたが、そう言った人生経験も含めて、正常な進化過程を辿っているんじゃないか?と、素直に感心。
もともと「上手い人」だと思ってましたが、最近の作品は、「上手さ」とは違う独特の「味」が出てきているようにも感じ、、、実際「お菓子の絵」などを描いていますが、もしかしたら、「絵を描く」というよりも、「お菓子を作ってる」様な感じで描いているのでは?
なんて事も、思いつつ、、、「”胡粉”(?)のクリーム」が、実に美味しそうでした(笑)
・・・
「子供がもう5歳になった」と聞き感慨深いものがありましたが、オリエンタルな美貌も相変わらず健在で、制作ペースも作品の質も衰えを見せない”パワフル・オーラ”に触れ、、、最近、身の回りに元気の無い話題が多かったので、刺激というよりむしろホッとしたような所もあり、、、。
今後の更なる活躍に期待すると共に、私も負けずに頑張らなくちゃと思いつつ、、、子育てと仕事の両立に、ものすごく頑張ってるんだと思うのですけど、そんな様子ひとつ見せず涼しげにすら見える”アベちゃん”の「大きさ」を改めて実感する展覧会でした。
■第3回「阿部千鶴 日本画展」
会期/2009年2月5日(木)~11日(水・祝)
会場/船橋東武 5階5番地 美術画廊
時間/午前10時~午後7時30分
※最終日は午後6時00分まで
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カルチャーセンターの授業で風景画を描いたのですが、生徒さんたちの絵を見つつ、窓の外を眺めていたら、急に田舎道を歩いてみたくなりまして。
帰り道、改札に背を向け線路沿いの道を隣の駅を目指して歩き始めると、だんだん楽しくなり、「もうひとつとなりの駅まで!」と、、、。
でも、その先が難関で、「新京成線」は、かつて日本軍が訓練用に敷いた練習線を払い下げられたものだそうで、図のように大きく曲りくねり、並行して走る道も無いので、線路を見失うと今自分が何処にいるのか?も、分からなくなってしまうと。
当然ながら、地図も何も持っていないない上に土地勘も無いので、遠くに見える鉄塔や太陽の方角、あとは、”野生の勘(?)”で、自分の進んでいる方向と位置関係をイメージしながら軌道修正していく訳です。
そんな不案内な田舎道を歩いていると、小学校時代の遠足の事など思い出し、当時は遠足なんてちっとも好きじゃなかったですが、「この歳になると、なかなかいいものだ」なんて(苦笑)
ホントは、都内に出て幾つか展覧会を回る予定だったのですが、結局、展覧会そっちのけで駅にして6つ分、歩いてしまいました。
今私は、5月の展覧会に向け「産みの苦しみ」の真っ最中にありまして、「何か面白いものが見つかれば」と思い、家を出るときにはいつもカメラを持って出るんですが、、、結局撮影したのは、歩き始めに撮った枯れ木の写真数枚のみ(汗)
そういう意味では、たいした収穫もありませんでしたが、家に篭って思索に耽っているよりも、こんな風に外に出て漠然と歩いているだけで、少し新しいアイデアも浮かび、「いい遠足」だったな♪と。
そんな訳で、これからもしばらく、カルチャーの後は「ぶらり旅」をしようかと。
写真は、カルチャーセンターの窓からの風景と、駅裏神社の枯れ木。
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「日本橋三越本店」と「高島屋日本橋店」の両百貨店にまたがって開催された「田淵俊夫展」のレポートです。
日記の日付は執筆日ですが、先に閉会された三越展の最終日に駆け込み、ギリギリで両展を梯子することが出来ました。
二つの展覧会は、大学の退官にあわせフランスで開催した「画業40周年記念展」の巡回という位置づけで、これまでの画業を紹介する三越展と、、、5年の歳月をかけ完成させたばかりの、京都「智積院」講堂襖絵が一同に展示された高島屋展という構成になっていました。
先ず最初の三越展は、「線描きに目覚めた」初期作品、「線描きに色彩を加えていった」中期作品、そして「色彩からモノクロームの世界に戻った」墨絵作品という3部構成で、作風の変遷が分かりやすく紹介されていまして。
私のようなものがココで感想を述べるのもおこがましいですが、筆の立つ「描き手」として名の通った田淵氏の長年の足跡を集めた展覧会は、「集大成」と呼ぶに相応しい堂々としたもので、「真剣に積み重ねた年月の重み」の偉大さを改めて思い知らされ、背筋が伸びる思いで鑑賞させていただきました。
そして、高島屋の「智積院襖絵」は、回顧展で振り返った内容が全て凝縮されたように、線猫の切れと、色彩をモノクロームに置き換えた全体感、そして、前作に当たる「永平寺」、「鎌倉八幡宮」の襖絵で培った墨絵の技術が遺憾なく発揮され、より一層の迫力と重厚感が漂う、見ごたえある展覧会になっていました。
遥か及ばずながら私も墨絵を描いたことがあるので絵を見てすぐに判ったのですが、最後に展示してあった「墨絵に用いた和紙の見本」と見ると、やはり、非常に描くのが難しい厚手で染み止めの効いていない「生紙」に描いているようで、なぜそんな難しい紙を選ぶのか?と疑問に思ったのですが。。。
私は様々な種類の紙を試し、このような和紙は吸水性が高いため、線は滲んでしまうし、墨の染み跡が残りやすく、ひじょうに「アン・コントローラブル」で扱いづらい材料なので、私は「シャープな描写には向かない」と判断し、薄手である程度染み止めの効いた和紙を使うようにしたのですが、そこを「敢えて」逆手に取り、不自由さを作品の「柔らかさ」に転換しているのではないか?と。
そんな目で作品を観察していただくと良く分かると思いますが、描線自体は以前の「カチッとした」ものではなく、近づいてみるとぼやっとした線と点描の集積体のように見えるのですが、離れてみると、不思議なことに、しっかりピントが合っているのは、墨絵以前の仕事で身に付けた確かな描写力があってこそのもので、、、。
また、一般的に墨絵の仕事は「書に近い」とも言われていまして、スピード感のある線で一気に描き上げるようなスタイルの作品が多いのですが、そういった手法を一切用いず、描きにくい用紙に少しずつ墨を染みこませていく事で、印画紙に写真画像が浮かび上がってくるような描き方をしているところは、やはり”絵具を置くように”塗っていく「日本画の感性」で、いわゆる「墨絵」とは一線を画するものなのではないか?と。
そんな事を思いつつ、会場を出ると、お昼過ぎに三越に着いた記憶でしたが、もうすっかり日が落ちて外は薄暗くなっていました。
■画業40周年 東京藝術大学退官記念「田淵俊夫展」
会期/2008年12月27日(土)~1月18日(日)
会場/日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
■智積院講堂襖絵完成記念「田淵俊夫展」
会期/2008年1月14日(水)~1月27日(火)
会場/日本橋高島屋 8階ホール
時間/午前10時~午後7時30分(8時閉会)
※最終日は午後5時30分まで(6時閉会)
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event2/index.html
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先月の教室展でお隣さんになりました鈴木俊秀さんが、仲良くなった生徒のN君の誘いで教室に遊びに来てくださいました。
「僕も何か描いていたほうが教室に馴染みますかね?」と、周りに気遣って下さる鈴木さんに、「では、何か・・・」と思っていたところ、、、今週から新入門されたWさんのデッサン課題用に用意しておくはずだったスケッチブックを買い忘れたことを思い出しまして。
そういう時のために用意している(?)、一日で終わる「緊急課題」を、せっかくなんで、二人一緒にやってもらうことになりました。
その課題とは、こちらのページに紹介してありますアメリカでの墨絵ワークショップのときに考えたもので、「墨の濃淡を使って樹木のある風景画を描く」というものです。
先ずは、新入生のWさん曰く「小学校のとき以来です」という墨摺りから。
二人が熱心に墨を磨り始めると、様子を見守っていたN君が・・・「あっ、なんか、いい匂いがしてきた~!」と。
そう、墨って、いい匂いなんですよね~♪
墨磨りが終わると、次はグラデーションの練習。
墨絵用の和紙を用意し、全体を水でぬらします。
和紙は、他の画用紙などと違い吸水性があるので、そのまま墨を入れると筆跡がそのまま染み残ってしまうので、滑らかなグラデーションを作るためにはあらかじめ紙を塗らしておく必要があります。
全体が適度に湿ったら、和紙の端のほうから段階的に墨を入れて行きます。
Wさんにやり方を示し、ふと隣に目をやると、水彩作品の繊細さから慎重な方とお見受けしていた鈴木さんが、思いっきりどす黒い墨を画面にババっと氾濫させていて、びっくり!意外と思い切りがいい方のようです(笑)
「いやあ~、とんでもない事になっちゃいました」と焦る鈴木さんにちょっとだけ手を貸し、浮いた墨をタオルで吸い取ると、その後は次第に筆先の感覚が分かってきたようで、きれいなグラデーションが完成。
で、そのときのWさんはと言うと、一番細い線描き用の面相筆でグラデーションを作っていまして、、、この二人、案外、曲者かも?(笑)
その次は、新しい用紙に切り替え、いよいよ本番の樹木です。
先ほど説明した墨絵和紙の「染まりこみ」を逆利用し、あらかじめシルエット状の樹木を白紙に描き込んでおき、後から背景ごとグラデーションを掛けて絵を作ります。
そんな訳で、次の工程は樹木の描画です。
この課題ではいつも、「シルエット状になってさえ居れば、どんな木でもOK」と言う事にしていまして、、、ちょっと意地悪ですが、モチーフが無い分生徒さんの「生の個性」が出るので、とても楽しみな工程でもあるのですが。。。
新入生のWさんは、少し右側に芯をずらし、直立する素直な樹木を描き始め、鈴木さんは、筆の勢いを利用しやや即興的に味のある木を描きを始めました。
簡単に描いてしまえば10分足らずで終えることも出来る工程ですが、お二人とも独特の拘りがあるようで、じっくり時間を掛けて樹木の描画が完了。
時間を掛けただけあって、両者の個性際立つ素敵な木が2本仕上がりました。
そこで、最後の背景付け工程。
描きあげた樹木に、グラデーションの背景を付けていきます。
今度は、練習のときの単純作業とは違い、絵作りなので、グラデーションのパターンはそれぞれにお任せすることにし、静観。
Wさんは天地双方からグラデーションを掛け、地平線から光が射してくるような流れで、鈴木さんは地面方向から空が明るくなるように、グラデーションを掛け始めました。
最初は恐る恐る様子を見ながらの作業でしたが、少しずつ雰囲気が出て来るとイメージが膨らみ始めたようで、絵のほうも次第に「グラデーション」から「空」へ変わっていきます。
写真を撮らせて貰えばよかったのですが忘れてしまい、ココでお見せできないのが残念ですが、双方とも、柔らかで落ち着いた中にも、独特の個性が際立つ作品が完成しました。(掲載した写真は、私が見本に描いたグラデーションです)
そこで既に時間が過ぎていましたが、大急ぎで裏打ち作業。
他の生徒さん達も、二人の仕事の完成を見届けるまで残ってくださり、裏打ちも完了。
一日で完結していい記念になるのがこの課題の良いところです♪
(他の生徒さんも、ご興味あれば、いつでもやって見てください)
「凄く楽しませてもらいました」と、嬉しそうに教室を後にした鈴木さんの姿に、改めて、教室展から始まった交流に、私も嬉しい気持ちで一杯になりました。
また、遊びに来てください♪
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あけまして、おめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
絵画教室の授業がいよいよ本日から始まりました。
12月の展覧会を終えて年越しになったため、皆さん揃って新作でのスタートとなり、教室にもあたらな風が吹き始めたように感じております。
そんな休みの間に、一通のメールが教室に届きました。
「ご無沙汰しています。マニラの作品 です」と題したメールは、フィリピンに赴任され、昨夏から教室を休会中の「菊地智徳」氏からの、現地で描いた作品を添えたお便りでした。
氏は、停戦監視団のお仕事で、紛争地域であるフィリピン・ミンダナオ島の復興支援活動にエンジニアとして参加されているそうで、、、常に命の危険と向き合う日々のなか、つかの間の平和が訪れるホテルの部屋で絵を描かれているのだとか。
基本的に私は、生徒さんのプライベートに立ち入らない主義なので、氏がどのようなお仕事をされているのか?あまり聞いたことがありませんでしたが、インパクトのある方なので、只者ではないと思っていたのですが、、、。
そんな菊地氏が初めて教室に訪れた日のことは、今でも鮮明に覚えています。
見学者の方には一通り同じ説明をしますが、、、その日も、いつものマニュアル通りに話しを始めると、菊地氏はいきなり、「あ~あ~、はいはい」と生返事をし、手に持ったカバンからスケッチブックを取り出しました。
そこには、山水画調の風景画が描かれていまして、「こんな絵を描いているんですが、何かアドバイスをください」と。
私は、その一言で、「この人にマニュアルは通じない!」と悟り、通常のデッサン課題を撤回し、「では、山水画から始めましょう」と言う事になったのですが、更にもう一押し「日本画絵具ってのは、どうやって使うんですか?」と。
こうなったらもう、やけくそ(心の声)で、「じゃあ、岩絵具で描きますか!?」と、なんでもあり(笑)
そこでさっそく絵具の説明をし、次週からいきなり”本題”へ。
とはいえ、私などは”表現”を重んじる「現代日本画」から入った口なので、いわゆる「山水画の手ほどき」など受けた事もなく、実際のところ、そのような絵画にもあまり興味がなかったのですが。
あまりにも真っ直ぐに、古式ゆかしき表現にチャレンジする菊地氏の作品が、却って斬新に見えてきまして、、、「こういうのもアリだな!」と、私のほうが感化されそうな勢いで。
とは言え、「”岩絵具を使った”山水画」なので、細部の表現や暈し塗りには私の伝授した日本画の技法が盛り込まれ、次第に「菊地式・山水日本画」と呼べるような、オリジナリティー溢れる作風が育って行ったように思います。
そんな風にして、私も菊地作品に楽しく関わらせていただいていたのですが、先述のとおりの休会で寂しく思っていたところへ、年末の便りが届いた訳です。
ご本人の許可も得られましたので、作品アルバムに掲載させていただく事にしますが、、、フィリピンで描いた作品には土地の風土や空気が反映されたのか?私が教室で見せていただいたものとはまた趣が異なる鮮烈な色彩を用いたもので、、、このような「日本画」が遠くフィリピンの地で描かれたのだと思うと、感慨深いものがありました。
停戦監視のお仕事は、常に危険と緊張の毎日だと思いますが、どうぞ、無事に帰国し教室に戻られる事を、お祈りいたしております。
以下、菊地氏の活動の様子を取上げた記事をご紹介しておきます。
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今年は2本の個展などで、家族や周囲の人に掛けた負担も大きかったと思いますので、年末の大掃除ついでに「感謝の意」も込め、教室の生徒さんも利用する自宅1階のトイレの温水便座を新調。
「ウオシュレット」と書かないのは、TOTO製ではなく、最も燃費の良いPanasonic製の「瞬間湯沸し便座」を選んだからです。
引退する「ウオシュレット」は、ハンドルを捻ってお湯を出す初期のタイプだったんですが、いざ取り外してみようとすると、現在のようなワンタッチで外せるプラスチック製のフックではなく、太い鉄のボルトで直接固定されていまして、取り付けよりも、取り外しに手間取りまして。
しかも、20年近く取り付けたままだった便座の下には、怖くて言葉に表現できないくらいの悪質な汚れが(汗)
そいつをトイレブラシで掻き取るように擦ってみても完全には落とせず、結局は、タワシを手に持ってゴシゴシ。
そんな作業をしていると、中学校時代のトイレ掃除を思い出しました。
私の中学校は、山の斜面に建つ築・数十年のモルタル作りの校舎でしたが、体育館前のトイレだけは、さらに一世代前の木造校舎からの遺物のようで、キャンプ場のトイレのような悪臭を放ち、数多くの「学校の怪談」の舞台にもなっている場所でもありました。
当然、皆、そこの掃除を嫌がりましたが、担任のH先生は「ひとの嫌がる事をすすんでやる!」がモットーで、逃げる事は許されませんでした。
そこで仕方なく指先で雑巾をつまみ、恐る恐る掃除を始めたのですが、そんな力では頑固な汚れに歯が立たず、「エイやっ!」と思い切って便器に手を突っ込んでゴシゴシ。
次第に、黄ばんだ汚れの中から真っ白な陶器の肌が現れ、つややかに輝き始めるとなんだか楽しくなってきまして、、、やがて「エイやっ!」が快感に(笑)
そんな想いに耽りつつ掃除を終えると、配管作業はあっという間に終わり、無事「ニュー便座」設置完了。
新しい便座が嬉しくて、2階に居てもわざわざ怪談を降りて1階のトイレを使ってます(笑)
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気付けば今日が最終日という事で、絵画教室の授業を終え、大急ぎで渋谷へ。
家にある図録などから記憶を辿ると、私が本格的なワイエス展を見るのは今回で3度目。
最初に世田谷美術館の「三代のワイエス」展を見た1988年の私は日本画科の浪人生で、ただひたすら、その緻密な描写と空間表現のテクニックに心惹かれ、自分のデッサンの未熟さばかりを思い知らされた展覧会だったように記憶しています。
2度目は、セゾン美術館で開かれた「ヘルガ」展。
調べてみると1990年開催のようで、私は大学に入り人物画に夢中になっていた頃でしたので、人物主体の「ヘルガ」展は大変興味深いものでした。
そして3度目の今回、Bunkamura「想像への道程(みち)」展は、水彩作品とスケッチを中心とした「下図展」で、作家活動をしていくうえで、一枚の作品が生まれる過程でワイエスがどのような試行錯誤をしているのか?という「舞台裏」を垣間見ることが出来る貴重な展示でした。
私は、絵には「旬」や「賞味期限」のようなものがあると思っていまして、アイデアスケッチ→下図→本画と描き進むにつれ、最初の感動が目減りして「作業」に陥ってしまい、「下図の方が良かったね!」などと、痛いところを突かれる事もしばしばな訳ですが、、、ワイエスは、同じような下図を何枚も描き重ねながら、着実にイメージが成長していくのが脅威。
無論、それは「本来そうであるべきこと」な訳ですが、「なかなか実践出来ないこと」でもあり、、、翻せば、「飽きずに描き続けられること」は即ち「描く対象にどれだけ深い愛情を持っているか?」と言う事にも繋がるのではないか?と。
そんなことを思いつつ順路を進んでいくと、隣にいた男性が窓のある室内風景を描いた作品の前で立ち止まり、連れ合いの女性に「こないだ見た、ハンマースホイを思い出すね」と、ポツリ。
確かに、そんな風にこの二人を結びつけて鑑賞した人は少なくなかったのでは無いでしょうか?
そこで、私なりにも、二人を比較して考えてみたんですが。
ひたすら自室の風景と妻の後姿を描き続けたマースホイと、親しい知人とその人たちの住む家や風景を描き続けたワイエスは、身近な人やものに固執し続けたという点では、ある意味共通するのですが、自己への執着心という点では正反対のスタンスで画面に向かっていたようにも思えます。
その差を簡単に言い表すのは難しいのですが、あえて安易な喩えを用いると、ワイエスはテニスで「ラリー」を楽しむように絵を描iいているのに対し、マースホイはひたすら「壁うち」をしていた人のような?
ワイエスは、「フェンシングで敵に挑むような心境で対象と向き合うのだ」とも言っていたそうで、まさに、その作業は「勝負」であり、対象と徹底的に向き合うことで、やがてその風景と同化し自己は次第に透明になり消えていくのだと。
その点、マースホイの描く人物像は、殆どすべてが後姿で、対象と真正面に向き合うのを避けることで、描くべき対象を見つめる「目線」自体を描くことで、自画像を描くように自己の内面に向かっていくのではないか?と。
絵描きには様々なタイプがあり、二人の作家の「目線」に優劣をつけることなどできない訳ですが、どちらかというと、マースホイの内向性に共感してしまう私としては、直球勝負で対象に挑みかかるようなワイエスの目線を、マースホイはどの様に感じるのだろうか?と、そんなことを思ってしまいました。
■アンドリュー・ワイエス~想像への道程
日程・2008年11月8日~12月23日
会場:東京渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_wyeth/index.html
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教室展開催中に、隣の展示室で催されていました、鈴木俊秀さんの個展レポートです。
市民ギャラリーでは運営上の都合で会期初日に飾り付けをしなくてはならず、嵐のような状態で初日を迎えた訳ですが、隣の展示室でも、ひとり搬入作業をされている方の姿が。
そこは事務室前の部屋でしたので、用足しに行くたび、廊下まで漂う静かな空気に惹かれていましたが、慌しい初日に見るのは”もったいない”と思い、敢えて翌日に持ち越そうと思っていたところ、展示を終えた鈴木さんが挨拶に来てくださったので、「明日、ゆっくり伺います」と約束し、さっそく翌日お隣の展示室へ向かいました。
展示室に並んだ作品たちは、昨日廊下に漂って居た”静かな空気”そのもので、素朴で優しい、淡い色使いで、身近な千葉の景色を描いた風景画でした。
私たちの教室では、不透明水彩絵具を用いた日本画風の水彩画を主流としていますが、薄塗りの透明水彩絵具で手数を最小限に抑えて描かれた鈴木さんの作品には、重厚に色を塗り重ねるのとはまったく違った力強さや魅力を感じ、、、。
絵を描くという作業そのものよりも、風景の中に佇みその空気を誠実に感じ取ることに拘る鈴木さんの姿勢が伝わり、私自身の制作活動にも心地よい刺激をいただくことが出来たように思います。
展示作品につきましては、鈴木さんから写真の掲載許可をいただきましたので、アルバムにてご鑑賞ください。
また、鈴木さんの展示最終日に撮影させていただいた会場の様子も併せて掲載させていただきましたが、彼の展示室は蛍光灯照明が無く、夜になるとスポットライトのみに照らされ、昼間の爽やかさとはまったく違った神秘的な空間になっていまして、そんなステキな場所で「とても贅沢な趣味の時間」を過ごされていたのだな!と、、、ちょっと羨ましく思いながら、そんな様子を撮影させていただきました。
■鈴木俊秀の水彩による風景画展
日程:2008年12月2日(火)~12月4日(木)
ふなばし市民ギャラリー第2ホール
【鈴木さんのホームページ】
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